マレーシアが反発 ファンド不正流用疑惑で米が提訴に

マレーシアが反発 ファンド不正流用疑惑で米が提訴に
マレーシア政府の関係者などが、自国の政府系ファンドの資金を個人の利益のために不正に流用していた疑いがあるとして、アメリカ司法省が、国内にある資産などの凍結を求めて裁判所に提訴したことについて、マレーシア政府は、不正の証拠は見つかっていないなどとして反発しています。
マレーシアの政府系ファンド「1MDB」を巡っては、ファンドを設立したナジブ首相への多額の送金など、資金が不正に流用された疑惑が持たれていましたが、マレーシア政府は、捜査の結果、不正はなかったと結論づけていました。
アメリカ司法省は20日、このファンドの資金の一部がマレーシア政府の関係者やその家族によって不正に流用され、不動産の取得や絵画などの購入に充てられていた疑いがあるとして、アメリカの金融機関を通じて購入された日本円で1000億円余りの資産の差し押さえを求めて、裁判所に提訴したことを明らかにしました。
これに対して、ナジブ首相は21日、捜査に協力する姿勢を示す一方で、「結論を急ぐべきではない」として、手続きの行方を見守る考えを示しました。
一方、アパンディ司法長官は「捜査の結果、不正が行われた証拠は見つかっていない」と強調し、アメリカ司法省の対応に反発しました。
このファンドを巡っては、シンガポールの金融当局も21日、関連する資産を差し押さえたことを明らかにし、各国で追及の動きが出ています。