英独首脳会談 英のEU離脱問題を協議

英独首脳会談 英のEU離脱問題を協議
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国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたイギリスのメイ首相とドイツのメルケル首相が初めて会談し、メイ首相がEUからの離脱を慎重に進める意向を示したのに対し、メルケル首相は手続きを速やかに進めるよう促しました。
EUからの離脱を決めた国民投票を受け、先週就任したイギリスのメイ首相は、就任後初めてとなる外国の訪問先にドイツを選び、20日、ベルリンでメルケル首相と会談を行いました。
首脳会談では離脱問題を巡り厳しいやり取りが予想され注目されていましたが、両首脳は会談のあと和やかな雰囲気で記者会見に臨みました。
この中でメイ首相は、「女性2人で大変建設的な会談ができた」と述べ、これにメルケル首相も笑顔で応じました。
メイ首相は、改めてEUからの離脱に強い決意を示したうえで、離脱交渉を始めるためのEUへの通知時期については「ことし中にはしない」と述べ、手続きを慎重に進める意向を示しました。
これに対してメルケル首相は、「イギリスがまず離脱交渉にどのような方針で臨むのかを決め、それから交渉を始めることがすべての国の利益になるので、しばらくは待ちたい」と述べ、一定の理解を示しつつも、「中途半端な状況が長く続くことは誰も望んでいない」とも述べ、離脱手続きを速やかに進めるようくぎを刺しました。
メイ首相は、このあと21日にはフランスのパリを訪れ、EUからの離脱を巡ってオランド大統領とも初めて協議することにしています。

英 EU議長国を辞退

イギリスのメイ首相は20日、声明を発表し、来年の7月から半年間務める予定だったEU=ヨーロッパ連合の議長国を辞退することを明らかにしました。その理由についてメイ首相は、EUからの離脱交渉に集中するためだとし、EUのトゥスク大統領も了承したとしています。
EUの議長国は加盟28か国が交代で務めることになっており、EUはイギリスの次に議長国を務める予定だったエストニアを繰り上げる方向で調整を進めています。