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現代自と中国ディーラーの対立激化、7割が契約解除要求

2016年7月21日(木) 22時16分(タイ時間)
【中国】韓国現代自動車(ヒュンダイモーターカンパニー:005380/KRX)と中国輸入車ディーラーとの間で、相互不信が深刻化している。

 自動車の販売低迷に加えて、今年に入って現代自が輸入車の卸売価格を引き上げるなか、赤字経営を強いられるようになったため。経営不振は現代自側に問題があるとして、ディーラーらは集団で抗議。代理販売契約の解除と賠償金の支払いを求め、現代自の中国現地法人「現代汽車(中国)投資」に対して連名で書簡を提出した。しかし現代自側は明確な回答を避けており、両者の溝は深まっているという。北京商報が20日付で伝えた。

 今回集団で行動を起こしたディーラーは30社。現代の中国輸入車ディーラーの実に7割を占める。これらディーラーとの交渉が物別れに終われば、現代自の中国輸入車販売ネットワークは崩壊の危機に陥りかねない。

 実際、経営が立ち行かなくなるなかで、中国ディーラーの間では現代自との輸入車販売契約を打ち切る動きが加速している。今年に入ってだけでも16社が撤退した。現代自の中国輸入車ディーラー数は足元で41社。2012年の79社から38社も減少している。

 もっとも、「こうした状況は、現代自の意図を反映させたもの」との見方もある。現代自は6月、これまでいくつかに分かれていた中国での生産・販売事業部を一本化する方向で調整に入った。北京汽車との中国合弁会社である北京現代汽車と、グループの海外営業本部に属する中国事業部の2部門について、中国事業を統括している現代自グループの中国事業本部に一元管理させることを決定している。

 この事業再編について中国ディーラーの間では、「現代自が中国輸入車ディーラーとの関係を絶つことにつながるのではないか」との懸念が浮上。「中国の輸入車事業を北京現代の販売ネットワークに統一させるためのものではないか」との憶測が広がっている。

 ただ、現代自側はこの観測を否定。「ディーラーの経営環境改善を望んでいる」とコメントした。

 現代自の中国輸入車販売は、低迷が続く。2015年実績は7000台まで落ち込み、11年時の3万7000台と比べて81%も減少した。今年も苦戦。上半期の販売成績を踏まえれば、通年目標である5000台の達成は困難とみられている。
《亜州IR株式会社》