EU 不正カルテル制裁で最高の3400億円

EU=ヨーロッパ連合はトラックの価格を巡り、14年間にわたって不正なカルテルを結んで競争を妨げたとして、ヨーロッパの大手メーカー4社に、過去最高となる合わせて3400億円の制裁金の支払いを命じました。
EUの執行機関に当たるヨーロッパ委員会は19日、ドイツの「ダイムラー」と「MAN」、スウェーデンの「ボルボ・ルノー」、イタリアの「イベコ」、オランダの「DAF」の大手トラックメーカー5社が、2011年までの14年間にわたって中型から大型のトラックの価格を巡り、不正なカルテルを結んでいたとして、EUの独占禁止法に違反していたことを明らかにしました。
このため、カルテルの実態を最初に通報した「MAN」を除く4社に対し、過去最高となる合わせて29億3000万ユーロ(日本円で3400億円余り)の制裁金の支払いを命じました。
各社はほかにも、EUの排ガス規制に対応する新技術の導入時期を調整したうえ、そのコストを販売価格に転嫁することでも合意し、公正な競争を妨げたとしています。
ヨーロッパで生産される中型と大型トラックのおよそ9割がこの5社の製品だということで、ヨーロッパ委員会のベステアー委員は記者会見で、「今回の決定は競争とイノベーションの促進、そして消費者の利益を守るために重要だ」と述べました。