「フィリピンに続き、インドネシアも近く南シナ海のナトウナ諸島について仲裁裁判所に提訴する構えだ。ベトナムもこれに追随する。中国の敗訴が濃厚だ。南シナ海は中国の悪夢となった。習氏は求心力を失った。国内外から批判の声がふき出し、習氏は追い詰められ、逃げ場を失った」
中国は9月、議長国として杭州で20カ国・地域(G20)首脳会議を開催する。習氏にとって最大の晴れの舞台だが、このままでは、世界各国の首脳が裁定受け入れと国際法の遵守を求め、習氏のメンツは丸潰れとなる。
そこで、南シナ海問題を払拭する「許しがたい謀略」が登場する。情報は以下のように続く。
「中国はG20前の8月に『尖閣周辺で日本と軍事衝突』を画策している。G20の主題を、尖閣問題にすり替えるためだ。東シナ海上空で6月、中国軍機が自衛隊機に前例のない攻撃動作を仕掛けた。中国は『自衛隊機が挑発した。レーダーを照射した』と開き直った。同様に、意図的に海か空で軍事衝突を起こし、罪を日本にかぶせ、尖閣は中国領と主張する。中国は『尖閣周辺なら、米軍は簡単には出動しない』と信じている」
改めて言う。日本に確実に危機が迫っている。これは、わが国の領土・領空・領海、そして、法と自由と民主主義を守る試練だ。一歩たりとも引いてはならない。加えて、都知事選も厳正に見極めていただきたい。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。