びわ湖のハスの群生地 ことしはほとんど育たず
k10010605881_201607231932_201607231934.mp4
全国有数のハスの群生地として知られる滋賀県草津市のびわ湖で、例年この時期に湖面いっぱいに育つハスがことしはほとんど育っておらず、地元の植物園などが原因を調べています。
びわ湖の南部にある草津市の烏丸半島周辺は、例年6月下旬ごろからおよそ13ヘクタールに及ぶエリアにハスが育つ全国有数の群生地として知られています。
通常はこの時期になると大きなハスの葉が湖面を覆って花が咲き、夏の観光の呼び物になっています。しかし、ことしはほとんど育っておらず、湖面が見える状態になっています。
このため、群生地に隣接する草津市の植物園と市内にある県立琵琶湖博物館が、今月初めから湖の中の状態などを調べていますが、今のところ異変の原因は分かっていません。
水草の専門家で、県立琵琶湖博物館の芦谷美奈子主任学芸員は、「外来のカメや渡り鳥が新芽を食べてしまう食害と、水中のミネラル不足などが同時に発生した可能性が考えられる。原因が分かれば対策を取ることができるので、調査を進めたい」と話していました。
通常はこの時期になると大きなハスの葉が湖面を覆って花が咲き、夏の観光の呼び物になっています。しかし、ことしはほとんど育っておらず、湖面が見える状態になっています。
このため、群生地に隣接する草津市の植物園と市内にある県立琵琶湖博物館が、今月初めから湖の中の状態などを調べていますが、今のところ異変の原因は分かっていません。
水草の専門家で、県立琵琶湖博物館の芦谷美奈子主任学芸員は、「外来のカメや渡り鳥が新芽を食べてしまう食害と、水中のミネラル不足などが同時に発生した可能性が考えられる。原因が分かれば対策を取ることができるので、調査を進めたい」と話していました。
観光に大きな影響
びわ湖のハスの異変で地元の草津市の観光に大きな影響が出ています。
草津市では、民間の業者が16年前から群生地の周辺を船で巡るツアー「ハスクルージング」を行っています。ここ数年利用客が増え、去年はおよそ1300人がクルージングを楽しんだということで、ことしは船の数を2台から4台に増やす予定でした。しかし、今回のハスの異変のため船を増やす計画を中止するとともに、今月上旬からは新たな予約の受け付けを取りやめました。現在は、すでに予約があった観光客に限って、事情を説明したうえでツアーを実施しています。
クルージングを運営する会社の畑源代表は、「去年、来てくれて、ことしも予約をしてくれたお客さんに状況を説明するとびっくりされます」と話していました。
また、ハスの群生を夏の観光の呼び物にしようと旅行代理店に働きかけるなどしてきた草津市の観光物産協会の天野志保さんは、「困惑しています。毎年この時期はハスの開花状況の問い合わせが多くなりますが、状況を説明するととても残念がられます」と話していました。
草津市では、民間の業者が16年前から群生地の周辺を船で巡るツアー「ハスクルージング」を行っています。ここ数年利用客が増え、去年はおよそ1300人がクルージングを楽しんだということで、ことしは船の数を2台から4台に増やす予定でした。しかし、今回のハスの異変のため船を増やす計画を中止するとともに、今月上旬からは新たな予約の受け付けを取りやめました。現在は、すでに予約があった観光客に限って、事情を説明したうえでツアーを実施しています。
クルージングを運営する会社の畑源代表は、「去年、来てくれて、ことしも予約をしてくれたお客さんに状況を説明するとびっくりされます」と話していました。
また、ハスの群生を夏の観光の呼び物にしようと旅行代理店に働きかけるなどしてきた草津市の観光物産協会の天野志保さんは、「困惑しています。毎年この時期はハスの開花状況の問い合わせが多くなりますが、状況を説明するととても残念がられます」と話していました。
カメの専門家「カメとほかの生物の食害か」
各地でハスの異変が確認されていることについて、カメの生態に詳しい愛知学泉大学の矢部隆教授は、「ミドリガメなどの外来のカメがハスの食害を起こす可能性は十分に考えられる。ただ、カメだけでこれだけ広範囲の被害が起こるとは考えられないので、ザリガニやコイなどほかの生物と一緒に食害を引き起こしているのではないか。いずれにしても原因を徹底的に調査したうえで、対策を取ることが必要だ」と話していました。
岐阜 海津の公園の池でも
池を覆い尽くすハスで知られる岐阜県海津市にある国営公園の池で、ことしはハスがほとんど育たないという異変が起きています。今のところ原因が分からず、観光への影響が懸念されています。
異変が起きているのは、海津市にある国営木曽三川公園・アクアワールド水郷パークセンターにある「義呂池」です。公園の管理事務所によりますと、例年、5月中旬からハスの葉が広がり始め、この時期にはおよそ5ヘクタールの広さの池を花や葉が覆い尽くしますが、ことしはほとんどハスが育っていないということです。
先月中旬には担当者が、ハスの根元などを調べましたが原因は分からないままで、ハスを育てている国内のほかの施設に問い合わせるなどして、引き続き原因を調べています。
この公園では毎年、この時期に舟で池を回遊する催しが開かれていますが、予約のキャンセルが相次ぐなど、観光への影響が懸念されています。
アクアワールド水郷パークセンターの鈴木理恵係長は、「このような状況にただただ驚いています。夏のハスは公園の風物詩と言えるもので、引き続き原因を調べて対策を取っていきたい」と話しています。
異変が起きているのは、海津市にある国営木曽三川公園・アクアワールド水郷パークセンターにある「義呂池」です。公園の管理事務所によりますと、例年、5月中旬からハスの葉が広がり始め、この時期にはおよそ5ヘクタールの広さの池を花や葉が覆い尽くしますが、ことしはほとんどハスが育っていないということです。
先月中旬には担当者が、ハスの根元などを調べましたが原因は分からないままで、ハスを育てている国内のほかの施設に問い合わせるなどして、引き続き原因を調べています。
この公園では毎年、この時期に舟で池を回遊する催しが開かれていますが、予約のキャンセルが相次ぐなど、観光への影響が懸念されています。
アクアワールド水郷パークセンターの鈴木理恵係長は、「このような状況にただただ驚いています。夏のハスは公園の風物詩と言えるもので、引き続き原因を調べて対策を取っていきたい」と話しています。
名古屋の公園の池では復活
名古屋市の鶴舞公園にある「胡蝶ヶ池」では、この時季、池いっぱいに咲くハスの花が見頃を迎えています。
しかし、この池でも、ハスの花が咲かなくなったことがありました。公園を管理する名古屋市緑化センターによりますと、8年ほど前から、池に増えた外来種のカメがハスの根を食べるようになり、花が一時、大幅に減ったということです。
公園では、5年前に対策に乗り出し、緑化センターの職員らが棒を使ってカメを池の端に追いやったり、ネットを取り付けたりして、ハスの根を食べられないようにしました。その後も、2年に1度、池を調査してカメの捕獲を進めた結果、ハスの花は徐々に増え、現在は、ほぼ元どおりになったということです。
しかし、この池でも、ハスの花が咲かなくなったことがありました。公園を管理する名古屋市緑化センターによりますと、8年ほど前から、池に増えた外来種のカメがハスの根を食べるようになり、花が一時、大幅に減ったということです。
公園では、5年前に対策に乗り出し、緑化センターの職員らが棒を使ってカメを池の端に追いやったり、ネットを取り付けたりして、ハスの根を食べられないようにしました。その後も、2年に1度、池を調査してカメの捕獲を進めた結果、ハスの花は徐々に増え、現在は、ほぼ元どおりになったということです。