蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【大相撲】綱とりの稀勢の里はそれでも諦めない 日馬富士との2敗対決で痛恨の3敗目2016年7月23日 紙面から
◇名古屋場所<13日目>(22日・愛知県体育館) 綱とりがかかる大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は横綱日馬富士との2敗対決に敗れ、痛恨の3敗目を喫したが、わずかな望みにかけ、残り2日間に集中する。日馬富士は4場所ぶり8度目の優勝に向けて単独トップに立った。横綱白鵬は大関豪栄道の腰砕けで、3敗を守った。かど番の大関照ノ富士は正代に寄り切られ、豪栄道とともに7勝6敗となった。十両は天風が2敗で単独首位に立った。 初優勝と綱とりには、ショックの大きすぎる黒星だ。支度部屋で稀勢の里からため息交じりに小声が漏れた。「くそー」。優勝争いから1歩後退する3敗目。視線を落とした稀勢の里の顔。無数のフラッシュが悔しさを一層際立たせていた。 賜杯を争う2敗同士の相星決戦は結びの一番。朝稽古後に稀勢の里は「いかにいい相撲を取れるかだと思いますし、力を出し切りたい」とポイントを挙げていた。 ふたを開けてみると、主導権を握られた。日馬富士に前みつを引かれて得意の左を差せない。左の上手を引いたが、呼び込むように寄り倒される。後ろに1回転して土俵下へ転げ落ちた。ふがいなさに首を小刻みに振った。 常に真っ向勝負の稀勢の里は日馬富士から恋人のように慕われる。しこ名が安馬だったころから日馬富士は出稽古に来てくれた。場所前の二所ノ関一門の連合稽古でも胸を借りた。チケット購入者を対象にした写真撮影会、前夜祭の収録も隣同士に座った。2004年九州場所では同時に新入幕を果たした。朝稽古後には「忘れたね。何年も前だから」。日馬富士から出向いてくれる誘いを断ったこともあるが、大事な一番では横綱に“フラれた”格好になった。 優勝争いで初めてトップを明け渡した。だが、残り2日間とも勝てば逆転Vに横綱昇進の可能性もある。八角理事長(元横綱北勝海)は12勝3敗での昇進に千秋楽までの内容を見てからとした上で「最後まで諦めないこと。明日、一つ勝つことが大事。開き直っていけるんじゃない」と14日目の白鵬戦を鍵に挙げた。 ぼうぜんと座る稀勢の里は報道陣の質問に最後まで無言を通した。すると、風呂から戻った白鵬に“ガン見”された。逆転初Vと横綱昇進には、まず最強横綱を倒すこと。今場所最大の悔しさを残り2日の終盤戦にぶつけるだけだ。 (永井響太) PR情報
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