Q.葬儀の席で弔問客に名前を聞くのは失礼?
A.失礼というわけではないが、顔を知っている方が喪主としてはスマート。
人1人が生きるには多くの人と関わるもので、勤め人ともなればかなりの数になる。そうなると、葬儀には家族の知らない顔が参列することも珍しくない。
すべてを把握するのはとても無理と割り切ることも必要だが、故人にとって思い入れの強い人なら、ある程度情報を頭に入れておいてもいい。
「父が葬儀に呼ぶ人のリストを作ったとき、この人はどんな人? とアルバムを交えて話をしたんです。おかげで、弔問客の顔は8割方わかりましたし、『父はこんな風に言っていました』と話しかけたらすごく喜ばれました」と、語るAさん。また弔問客との思い出話の中で父親の知らなかった一面も見られたと付け加える。
ただし、仕事上の付き合いは幅広く、名前と顔が一致しないケースも少なくない。わからないのはともかく、せっかく足を運んでくれた人に、気づかないというケースだけは避けたい。それが会社の重役ともなればなおさらだ。それには、受付に故人の会社関係者に立ってもらうと安心だ。
また、6親等内の親族くらいは顔と名前が一致していないと恥ずかしい。プラス、故人とのエピソードを2つ3つ把握しておくといいだろう。
葬儀は接待ではないから気を張る必要はないが、せっかく身内の死を悼んで来てくれたのだから、気分よく帰ってもらえるよう努めたいところだ。
(2016年7月8日発行 夕刊フジから)