日米財務相会談 米側「通貨安競争は避けるべき」

日米財務相会談 米側「通貨安競争は避けるべき」
G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が開かれる中国の成都で、麻生副総理兼財務大臣とアメリカのルー財務長官が会談し、アメリカ側は通貨を意図的に安く誘導する通貨安競争は避けるべきだとして、急激な円高には市場介入も辞さないという姿勢の日本を改めてけん制しました。
麻生副総理兼財務大臣とルー長官は23日午前、G20の開幕を前に会談しました。イギリスがEU離脱を決めたことで不透明感が増す世界経済の動向や日本が近くまとめる経済対策などを巡って意見を交わしました。
アメリカ財務省によりますと、会談でルー長官は、成長のため金融政策、財政政策、構造改革のあらゆる政策を組み合わせることが重要だという考えを伝えました。そのうえでルー長官は、通貨を意図的に安く誘導する通貨安競争は避けるというG20の合意を順守するべきだとして、急激な円高には市場介入も辞さないという姿勢の日本を改めてけん制しました。
ことしに入って以降、円高が急速に進むたび、麻生副総理が「投機的な動きだ」と強い懸念を示してきたのに対して、ルー長官は「為替の動きは秩序だっている」と指摘していて、為替相場を巡る日米間の認識の隔たりが続いています。