イチロー今季１８度目マルチでＭ４　きょうからのホーム１０連戦でＧＯ

　大リーグは２１日、各地で行われ、マーリンズのイチロー外野手（４２）はフィラデルフィアでのフィリーズ戦に「１番・右翼」で４試合ぶりに先発出場し、５打数２安打、１得点でメジャー通算３０００安打まで残り４とした。３回に遊撃内野安打を放ち、８回は右前打で出て後続の適時打で生還した。チームは９−３で勝った。

　ドジャースの前田健太投手（２８）はナショナルズ戦で６−３の９回にメジャーで初めて代打で出場し、空振り三振に倒れた。チームはそのまま勝った。

　４戦ぶりに先発したイチローが、メジャー３０００安打へのカウントダウンを一気に２つ減らした。まずは自慢の足で安打を稼いだ。３回の第２打席、相手先発アイクホフのチェンジアップをうまく二遊間へ転がす。遊撃手が滑り込みながらも打球を押さえ一塁へと送球したが、背番号５１は悠々と一塁を駆け抜けた。

　８回には、初対戦となった救援左腕スタンプのスライダーを右前に運んで今季１８度目のマルチ安打をマーク。今季３３試合目の先発出場にしてマルチ安打は１７度と、先発時のマルチ率は驚異の５割超えとなった。

　メジャーで２９人しか達成していない３０００安打を目前に、大リーグ公式サイトはイチローが安打を放つたびにその打席の動画を即座にアップ。日米の注目度は日に日に高まるが、当の本人は「（周囲の人間が、記録に）前向きかどうかなんて知らないよ。後ろ向きな人もいてほしいな」と“イチロー節”をさく裂させた。

　続けて「１打席で２本ヒットは打てない。周りはいろいろ言うかもしれないけど、もう何回もこういう経験をしてきている。だから僕が変わることはない」と話し、幾多の記録を塗り替えてきた４２歳は、平常心を崩すことはなかった。

　大台へのマジックを４として、２２日からは地元マイアミでの１０連戦。本拠地での記録達成を待ち望む声も多いが「代打で１０試合、もし１０打席だったら難しいですよ。代打なんか、４回に１回（がヒット）の感じ。先発で毎試合とは全然意味が違う」と言葉を選んだイチロー。マ軍の選手としては初となる３０００安打という偉業。是が非でも地元ファンの前で達成したいところだ。　（フィラデルフィア穐村賢）