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「バーガー店で食べる子供の顔に発砲とは…」

乱射事件の現場となったマクドナルドの店舗付近を警戒する警察官ら=ドイツ・ミュンヘンで2016年7月22日、AP

最大都市ミュンヘン 25人の死傷者

 【ミュンヘン(ドイツ南部)三木幸治】週末を楽しむ家族連れらを凶弾が襲った。ドイツ南部の最大都市ミュンヘンで22日午後(日本時間23日未明)に起きた銃乱射事件。子供たちにも容赦なく発砲したという凶行は、25人の死傷者を出し、平和な日常を一瞬にして奪い去った。

 マクドナルドの前に現れた黒の半袖を着た男は、握りしめた拳銃を四方八方に撃ちまくった。「ダン、ダン、ダン」と乾いた音がこだまする。突然標的にされた人々は、恐怖に駆られて散らばっていく。欧州メディアなどで配信された映像には、発生時の混乱ぶりが映されていた。

 「(たまたま)息子をマクドナルドのトイレに連れて行っていた」。米CNNに証言したロレッタさんという女性によると、実行犯の男は「店内で食べていた子供たちの顔に向けて発砲した。子供たちは逃げることもできなかった」という。

 事件は22日午後5時50分(日本時間23日午前0時50分)ごろ、ミュンヘン北部の大型商業施設向かいのマクドナルドで起きた。地元警察によると、容疑者の18歳の男はマクドナルド店内で発砲してから、路上に移動して乱射を続けた。事件発生後に現場から1キロの地点で、自殺したという実行犯の遺体が見つかったが、当局は市民に外出自粛を呼びかけ、公共交通機関を停止するなど、混乱と緊張が続いた。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、スレイマン・ダイツィクさんの10代の娘と息子が22日午後に商業施設に足を運んでいた。息子が血まみれで倒れていたと聞き、市内の病院を駆けずり回って捜しているが、「生きているのか死んでいるのかも分からない」と話した。

 事件発生から6時間以上が過ぎた23日未明になっても、現場付近には救急車、警察車両が十数台停車していた。近くのNGOで働くアレクサンドル・ブルーナーさん(35)は、「こんな恐ろしい事件が起きるなんて信じられない」と衝撃を隠さなかった。IT企業に勤めるアンドレアス・ルイターさん(59)も厳しい表情で語った。「一人の男の狂気が地域を不安に陥れた。本当にごく普通の地域なのに……」

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