連続テレビ小説 とと姉ちゃん(95)「“あなたの暮し”誕生す」 2016.07.22


(花山)これを表紙にしてみないか?
(常子)いいですね花山さん。
私たちが目指す豊かな暮らしがここにあるような気がします。
「この中のいくつかはすぐあなたの暮しに役立ちこの中のいくつかはすぐには役に立たないように見えてやがていつの日かあなたの暮し方を変えてしまうかもしれない。
そんなふうにいつでもこの一冊はあなたの暮しによりそって息づいている」。
それを前書きとして載せたいんだが。
いいですね。
それでは…。
雑誌のタイトルをこれにしてみませんか。
あなたの暮し…?はい。
社名も「あなたの暮し出版」というのはいかがでしょう。
社長さんがいいなら従うまでだよ。
では調子に乗ってもう一つご相談が。
新聞に広告を載せようと思うんです。
相当な金が必要だぞ。
知名度のない雑誌だからこそお金をかける。
銀座にこだわった花山さんと同じです。
忙しくなるな。
この雑誌は売れる!はい。
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
(君子)あ〜。
おはようございます。
ありがとうございます。
どうぞ。
はい。
4か月後広告が新聞に掲載され「あなたの暮し」はついに発売されました
あ〜あった!あったわよ!
(美子)すてきな表紙よね。
タイトルもいいわ。
表紙は雑誌の顔だもの。
印刷代はかかったけどカラーの色合いは納得するまで粘ったわ。
(鞠子)ねえ新聞広告っていくらかかったの?2,400円。
2,400円!?そんなにお金かけて大丈夫なの?私は花山さんを信じてる。
私も。
けど広告出してからこれといって何もないよ。
発売日が今日なんだからまだ分からないわよ。
本屋さん行って売れてるか聞いてくる。
嫌な顔されるのがオチよ。
もう少し様子見てみましょ。
けど何かしてないと落ち着かなくって…。
・郵便で〜す。
はい。
どなたからですか?あっいえ…。
手渡しできるものじゃないので置かせてもらってもいいですか?あ…どうぞ。
それは全国の読者から「あなたの暮し」の購入を依頼する郵便でした
ねっ?すごい…。
「あなたの暮し」は企業からの広告を一切載せず編集長の花山が自分の美意識で全ての誌面を作り上げました
(一同)あ〜!常子さんだわ!
(一同)うわ〜。
(谷)おいこの写真!はい私と妹たちです。
花山さんがそうしようって。
(五反田)美しい。
確かに君たちがモデルの方が親近感が出るな。
(一同)うん。
ふんだんに写真と挿絵を使ってるね。
こっちの方が断然服の作り方も分かりやすい。
(相田)俺でも作れそうだよ。
あっ是非作ってみて下さい。
男の服が載る時が来たらね。
おい!このページもカラーじゃないか。
(相田)本当だ。
「誰にでも出来る暮しの工夫」か。
お金はかかりますが花山さんが是非にと。
いやこれお金だけじゃなく相当な手間もかかってるね。
今までこんなの見た事ない。
不思議な雑誌だなあ…。
それは…お褒め頂いてるんですか?ああもちろん。
よかった…。
「あなたの暮し」の売り上げが伸びるにつれ直線裁ちの服はブームとなり街なかに直線裁ちで作った服を着た女性が増えていきました
イテテテ…。
大丈夫?朝から晩までずっと開封してたのでタコが出来ちゃって。
あぁ…。
ただいま帰りました。
(一同)お帰りなさい。
すみません遅くなってしまって。
為替の量が多くて思ったより時間がかかってしまって。
そんなに売れてるの?フフフ。
あ…かかも手伝って下さってるんですか?いいのいいの。
本屋で買った時は売れてるかどうか心配だったの。
ああよかった…。
かかご自分で買われたんですか?ええもちろん。
私は「あなたの暮し」のファン第一号ですから。
ウフフフフ。
この調子なら目標だった1万部売れるかな?ん〜だいぶ現実味を帯びてきたと思う。
目標は1万じゃないぞ。
「あなたの暮し」がいずれ目指すのは100万部だ!えっ100万?100万部ですか?うん。
あの人も冗談言うのね。
そのぐらいの気持ちで頑張れって事だと思う。
(君子)どうしてそんなにお詳しいんですの?服の事もそうですし随所に女性らしい視点をお持ちなのも不思議で。
…ああ。
服に関しては母の影響ですかね。
貧乏でしたがおしゃれが好きな人だったので私も自然に興味を持ち高等学校辺りから衣装学の本を読んだり。
女性らしい視点は?う〜ん…それも母の影響だろうね。
母が亡くなったのは私が中学の頃です。
以来私は長兄として兄弟たちを食べさせ母の代わりをしてきました。
その時にいつも母が生きていたらどうしただろうと考えて行動してきたんです。
かか兄ちゃんだ。
父親代わりのお姉ちゃんはとと姉ちゃんでしょ?母親代わりの兄はかか兄ちゃん。
じゃあ常子が「とと姉ちゃん」で…。
花山さんが「かか兄ちゃん」。
アハハハハ!何だかいい組み合わせね。
何がかか兄ちゃんだ。
(笑い声)
(節子)いたいたあの方よ。
(花山)あっ小山内校長。
花山さんこれはどういう事ですの?あれだけ当方を取材しておいてひと言も触れてないだなんて。
宣伝になると思ったからこちらは時間を割いたのに。
あらかじめ言ったはずです。
取材をした上でそちらの洋裁学校の記事はうちの雑誌に載せるべきではないと判断しました。
いやでも…。
すみません。
ご迷惑をおかけしましたでしょうか。
あ…事務員は黙ってて下さる?我が校の記事はまあ百歩譲るとしてもこの直線裁ちは許せません!直線裁ちの何がいけない…。
事務員はお黙りなさい!私は…。
洋裁の技術がいらないなんてうたわれてはたまったものじゃないの。
あなたうちの学校を潰すおつもり?高度な技術を必要とする洋裁を否定するつもりはありません。
ですが世の中にはろくに生地も買えない洋裁を学ぶ時間もないしかししゃれた衣服は着たいと思っている人は多くいるんです。
我々はそんな人たちのためにこの直線裁ちを紹介したのです。
それが商売の邪魔だと言ってるんです。
そんな簡単におしゃれをするなと?おしゃれをしたければあなた方に高い授業料を払いはぎれを無駄にしながら高い生地を使えとおっしゃるんですか?私たちが相手にしているのは一般庶民なんだ。
その人たちに洋服を紹介したいだけです。
きれい事を。
本心ではあなたも雑誌を売って大もうけしたいだけじゃないのかしら?そんな事ありません。
もうだからあなた…。
この出版社の社長は私です!苦情があるなら私におっしゃって下さい。
社長?あなたが?…そう。
ならばあなたに伺うわ。
今後も直線裁ちを提唱して洋裁学校の営業を妨害するおつもり?営業を妨害するつもりはありません。
そして余裕のない生活を送る方々に洋服の作り方を届ける事をやめるつもりもありません。
そうですか。
またお会いしましょう。
ハハ。
洋裁学校があんなにムキになるという事はそれほどこの直線裁ちが脅威だという事だ。
脅威ですか?看過できぬほど直線裁ちはよいものだという事だよ。
そう…そうですよね。
ほらほら!暗いぞ!
(美子鞠子)はい。
(ノック)
(綾)ごめんください。
綾さん。
(登志子)突然にごめんなさいね。
いえいえいえ。
先日はありがとうございました。
ああいやいや…。
お母様の洋服も?ああ…。
私が作ったの。
へえ〜。
作っている間よく母と会話が弾んだわ。
何だか昔に戻ったみたいだった。
そう。
いいわね。
太一君もおそろいで。
そうなの。
久しぶりに鏡を見て気付いたの。
今までは生活に必死で穴が開いてた事にも気付けなかった。
ゆとりが出来たのね。
この服を着てから少し気持ちが楽になった気がするわ。
本当に?いろいろありがとう。
フフフフ…。
自分たちの作った雑誌が多くの女性を笑顔にする。
常子はこの仕事のやりがいを改めて感じました
2016/07/22(金) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(95)「“あなたの暮し”誕生す」[解][字][デ][再]

う余曲折を経て、常子(高畑充希)たちは、『あなたの暮し』という名の雑誌を創刊する。同名を出版社の名前とし、常子たちの命運をかけた雑誌作りが本格的に始動する。

詳細情報
番組内容
いろいろなことがここに書きつけてあります。この中のいくつかは、すぐにあなたの暮しに役立ち、この中のいくつかは、すぐには役に立たないように見えて、やがていつの日か、あなたの暮し方を変えてしまうかもしれない。そんなふうにいつでもこの一冊はあなたの暮しに寄り添って息づいています…。そんな冒頭で始まる雑誌を、常子(高畑充希)たちはようやく完成させる。それこそが、『あなたの暮し』という雑誌の始まりだった…。
出演者
【出演】高畑充希,木村多江,相楽樹,杉咲花,佐藤仁美,阿部純子,ふせえり,及川光博,山口智充,伊藤淳史,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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