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椎名林檎『長く短い祭』のPVが意味深すぎ。トラウマをお持ちの方は、決して見てはいけない物語かもしれません。

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http://www.flickr.com/photos/27889738@N07/16760056983
photo by ykanazawa1999

私が最も尊敬しているアーティストの1人、椎名林檎。彼女の歌にある「理性的な中に垣間見える幼稚性や残虐性」は、私の心を捉えて18年以上離してくれません。

そんな林檎姫の15枚目のシングル「長く短い祭」。パッと聞く限りでは、「コカ・コーラ」2015年サマーキャンペーンCMソングでも起用されている、心を上げてくれる爽快なダンスチューンなのですが…

PVがあまりに恐ろしい。日常に潜む恐怖。

youtu.be

実はPV解禁の時に見たんですが、あまりの怖さに途中で断念。でも、今日は見られる気分だったので見てみると、いろいろ疑問点が出てきたので、記事にすることにしました。(上記の動画はiPhoneなどのスマホで見られますが、データ容量に注意してください。)

PVと歌詞をリンクしてみると、男女の情事のもつれが起こした悲劇的な事件を謳っていることがわかります。このような事件にトラウマを持っている方やバイオレンスなものに敏感な方は、絶対にこのPVを見てはいけません。後悔します。

『長く短い祭』PVの一連の流れ。

時系列が前後するPVなので、1度見ただけでは明確に理解できないかもしれません。このPVに関する疑問点など記述するにあたり、まずはPVの流れをまとめてみます。(暴力的な記述・表現が含まれていますので、苦手な方はここで閉じてください。)

シーン1:風呂場(夜ではない)
  1. バスタブに水がめいっぱい張られ、水が流れ続けている。
シーン2:部屋の中(夜ではない)
  1. テレビでは、男女(浮雲&林檎)2人が歌っている様子が流れている。
  2. 女が手を洗い、前の鏡で自分の顔を見る。
  3. 女が風呂場へ向かう。
シーン3:部屋の中(夜ではない)
  1. 誰もいないリビング。テレビだけがついている。
  2. 女がキャミソール姿でノースリーブのワンピースを選ぶ。
  3. 玄関へ向かい、クラッチバッグを持って外へ出る。
シーン4:夜の沿道を歩く
  1. 真珠のロングネックレスをつけ、沿道を歩く女性。視線は常に足元。一瞬、道を走るタクシーへ目をやる。
  2. 一面ガラス張りのバーへ女性が視線を上げる。
  3. バーの備え付けのテレビには歌っている林檎&浮雲をクローズアップ。
  4. 沿道を歩き続ける女性。何か意を決したように徐々に視線を上に上げると…
  5. 花火が上がる。
シーン5:クラブ
  1. クラブの入り口に4人の若者が会話。その横を通り、地下のクラブへ。
  2. 薄ピンクの薄暗い照明の店内を歩く女性。
  3. 長髪の男性?と挨拶程度の短い会話。
  4. さらに店内へ進むと、誰かから手を振られ、女性はそれに笑顔で手をふり返す。
  5. 男性2人から声をかけられ、片方から小さな紙切れを渡される。
  6. それを笑顔で受け取るも、数歩歩いたら真顔に戻る女性。
  7. 紙切れを真顔でフッと手放す。
  8. 真っ暗な店内の階段を降り、ダンスフロアへ。
  9. 薄暗いピンク色の照明の中、激しく踊る。
シーン6:夜の沿道→夜の公園
  1. 沿道を歩きながら、タバコに火をつける女性。背景にはぼんやりと数台の車の明かり。
  2. タクシーが行き交う交差点。ヘッドライトやバックライトが闇夜に光る。
  3. 林檎&浮雲の出演する映像が流れるテレビのある、誰もいないリビング。
  4. 視線を下にしながらタバコを吸い、歩く女性。
  5. おもむろに公園の入り口のタバコ入れでタバコの火を消す女性の後ろ姿。クラッチバックを投げ捨てる。
  6. 女性の正面の映像に戻る。
  7. ネックレスを左手で外し、右手でワンピースの前ファスナーを下しきる。
シーン7:部屋・風呂場(夜ではない)
  1. グロス(口紅)を塗る女性の口元。
  2. 林檎&浮雲の出演する映像が流れるテレビのある、誰もいないリビング。
  3. 視線を下にしながら、黒のキャミソールに白い薄いガウンを羽織った女性がバスルームへ入ってくる。
  4. 女性がバスタブを開けると、手をガムテープでぐるぐる巻きにされ、口にもガムテープを貼られた男性がのけぞる仕草。
  5. バスタブの中の男性とガムテープ越しに激しくキス。男性は驚き戸惑う表情。
  6. ここから5の最後でワンピースを脱いだ女性がダンスする姿と交互に、バスタブの犯行シーンが入る。
  7. キスの後、男から顔を離した女性は、シャワーヘッドで男性を叩きつける。
  8. シャワーヘッドで2回殴った後、連続して思い切り男性の顔の辺りを踏みつける。
シーン8:夜の公園
  1. 転げ回るようにこれでもかと自由に踊る女性がスクッと立つと、奥から光が。
  2. それと同時に、女性の横顔に赤い光(パトランプ?)が照り始め、
  3. まっすぐ立った女性の背後に、無数の光と2人の人影が。(警察?)
  4. 「no verão as noites」とだけ表示。(黒地にピンクの文字)
  5. 観念した表情で前を見る女性。
  6. 道を走るタクシーを店の中?から見ている風景。

疑問点は4つ。

このPVのストーリーを理解するために、このPVを時系列に並べ替えていくと、おそらく「2→7→1→3→4→5→6→8」だと思います。大まかに言えば「暴行→バスタブに水を張る→クラブへ出かける→公園で踊る→逮捕」ですね。このPVを何度も見てみたところ、疑問が4つ浮かび上がってきました。

1:なぜ女性はクラブと公園の2箇所で踊ったのか。

4のクラブで踊った場面に関しては、アリバイ作りの可能性が高く、納得できます。しかし、公園でワンピースを脱いで踊るというところは、どう解釈すべきか非常に悩みます。警察がすぐにかけつけていることを考えると、自分の犯行がもう露呈していると考え、最後の自由を楽しみたかったということでしょうか。

2:シーン7の最後は誰?

7の「夜の公園」の最後に出てくる「道を走るタクシーを店の中?から見ている風景。」の手前までてストーリーが完結しているように見える本作品。最後のガラス越しに外の道路の様子を見ている「誰か」がいることを示唆しているように見えるのですが、これは一体「誰」なのでしょうか。隅々まで確認してみたのですが、特にガラスに誰か写っているというわけではなさそうでした。

だとすると、見ているのは「PVをみている私自身」。ガラスは何かしらのフィルター。タクシーの行き交う道路は世の中を表しているのかな、と思ってみたのですが、それだと今までのストーリーと繋がらないしな…とこの問題だけは解けず。

3:男性は亡くなったのか。

細切れにしか風呂場のシーンは出てこないので、ここも疑問のうちの1つ。ただ、私は男性は残念ながら亡くなっていると考えています。1の風呂場でも、6の風呂場でも窓の外が明るいことを考えると、暴行を加えたのは昼間。そこからクラブに行って、夜中に逮捕されるまで少なくとも6時間以上が経過していると考えられます。というか、1・6の風呂場(暴行→水いっぱいのバスタブ)だけ見ても、助かりようがないと思います。ただし、女性が途中で助けるという可能性もあるので、断言はできませんが…

4:no verão as noites の意味は?

最後にでてくる「no verão as noites 」。Google翻訳で検索してみたところ「夏の夜」と翻訳されました。ポルトガル語だったようです。黒地にピンクの文字で「no verão as noites(夏の夜)」。狂気の終わりには一見ふさわしくないほど、その配色や書体はどこかポップ。ただ、曲調とマッチしているし、女性らしさもあるので、まとまりが出るのかもしれません。

番外編:『能動的三分間』とのリンクについて。

ちなみに、浮雲さんが曲の最後に「さようならはじめまして」と歌っているところから、東京事変の『能動的三分間』とリンクされているのがうかがえます。ただ、『能動的三分間』自体は練習曲であるという趣旨の発言*1をしていることから、『能動的三分間』はあまりメッセージ性の強い曲ではないと思うので、この2曲が何か特別に相互干渉しているというわけではなく、言葉遊びとしてリンクさせたにすぎないような気がします。

狂気をヒシヒシと感じる。愛しているが故の犯行。

私がこのPVを見て恐怖を感じるのは、女が男を愛しているが故に暴行を加えているという狂気を感じるから。細かい背景は描かれていないので、男性に裏切られた故の犯行なのか、阿部定事件のように他の女に取られるのを恐れての犯行なのかわかりませんが、人間の狂気を垣間見るPVとなっていることは確かです。

女性の視線や画面全体で表現されている配色などの細かい部分がよく考えられていて、音をサイレントにしても恐怖を感じます。さらに、アップテンポな曲と映像がある意味、相反していて、さらに恐怖を駆り立てます。

歌詞の意味については、今回はあまり触れませんが、歌詞の中にある

一寸女盛りを如何しやう

この侭ぢや行き場がない

花盛り色盛り真盛りまだ

も犯行原因の1つと考えられなくはないですね。人間は誰しも老いるもの。特に女性の花盛りは一瞬…心鋭くえぐられます。

あなたが見ている「真実」は、他人が見ている「嘘」。

http://www.flickr.com/photos/22938792@N06/3493046867
photo by Lindsey Elizabeth Martin's Photography

『長く短い祭』PVでは、愛しているが故の狂気を見ることができますが、このように一見すると乖離している事象が表裏一体であることって結構あります。あなたが「真実」だと思って疑っていないことが、実はちょっと視点を変えてみると「嘘」になってしまうんです。

彼氏から送られてきたメッセージ…

たとえば、あなたが「今何してるの?」と何気なく彼氏に送ったメッセージ。それに返ってきた「今、同期の友達と飲んでるよ。」の一言。ここに嘘が含まれているとしたら、どんな嘘が含まれていると思いますますか?

同期の友達が男ではなく女?って思うかもしれません。しかし、この人は「友達」と言っているだけで、女とも男とも言っていないので、その点は嘘をついているわけではありません。でも、彼氏に絶大な信用を置いている場合、「この人は誠実な人だから男の人と飲んでいるんだろう」と思ってしまうかもしれません。本当は「友達=女」の可能性があるにもかかわらず。

さらに考えてみると、「飲んでるよ」が嘘の可能性も、「同期の友達」と「飲んでるよ」が両方とも嘘の可能性もあるわけです。確認できない以上どうしようもないことですが、可能性を考えれば考えるほど真実だと思っていた真実は真実でなくなっていきます。

物事は多面的である。

別にパートナーを常に疑えと言っているわけではありませんが、そこにある事象は、あなたが思っている以上の側面を多分に持っているということです。物事は多面的あると理解しておけば、短絡的発想による異常な行動はそこそこ抑えられるのではないかと思うのです。

規模の大小や文化の差はあれ、男と女の情事というものは世界中で起こっています。今やTwitterやフェイスブック、iPhoneアプリなどで簡単に出会えるようになっていますしね。しかし、昨年末から加熱している不倫暴露合戦なんかを見ても、ちょっとした下心が修羅場へと変貌をとげる危険性をはらんでいることは明らかですし、

殺人事件の動機として多いのは,憤まん・激情,報復・怨恨,暴力団の勢力争い等,痴情・異性関係トラブル,介護・養育疲れ*2

と法務省の統計(2013年)でも出ている通り。

事実は小説よりも奇なり。あなたの身の回りにも「あなたの知らない情事」が行われているかもしれません。そして、当事者の皆様、色々とお気をつけくださいね。

以上、「椎名林檎『長く短い祭』のPVが意味深すぎ。トラウマをお持ちの方は、決して見てはいけない物語かもしれません。」でした。

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阿部定事件について知りたい方は、こちらのサイトを御覧ください。阿部定の予審調書を全文公開されています。愛と狂気の沙汰と言われるこの事件ですが、大なり小なり心当たりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。iPhoneでも簡単にみられるので、お暇な時にぜひ。

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