台湾の民進党 「独立」うたう綱領 議論先送りに

台湾の民進党 「独立」うたう綱領 議論先送りに
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台湾では、与党、民進党が開いた党大会で、一部の党員から台湾の独立をうたっている党の綱領を、新しいものに替えるよう求める提案が出されましたが、党首を務める蔡英文総統は議論を事実上、先送りしました。
台湾の与党、民進党は17日、台北でことし5月に政権交代を果たしてから初めての党大会を開きました。党首に当たる主席を務める蔡英文総統は、演説の中でこの2か月間を振り返り、「人々の期待は高く、改革が十分ではないと感じている人も多い」と述べ、党が掲げた新しい産業の育成や年金制度の改革などに引き続き取り組む姿勢を強調しました。

また、大会では、台湾の独立をうたっている党の綱領について、一部の党員から、中台関係の「現状維持」を柱とする新しいものに替えるよう求める提案が出されました。これに対し、蔡総統は、提案の内容や対中国政策には触れないまま、取り扱いを執行部に任せることを決めました。

1991年に台湾独立をうたう内容が盛り込まれた綱領について、民進党内では、中台間の交流が進む現状に合わないという考えが多くなっていますが、一方で、独立路線を支持する意見も根強くあります。蔡総統としては、この問題を事実上、先送りすることで、対中政策を巡る踏み込んだ議論を避けるとともに、党内の対立を回避するねらいもあるものとみられます。