【ベルリン支局】ドイツ南部ミュンヘンにあるショッピングセンターで22日、銃の乱射事件があり、少なくとも9人が死亡し、10人が負傷した。「テロの可能性が排除できない」とアルトマイヤー官房長官は公共放送ARDに語ったが背後関係などはわかっていない。ドイツでは走行中の列車が難民の少年に襲われるという事件が起きたばかりで治安悪化への不安が高まりそうだ。
現場は市内で最大級のショッピングセンター。金曜日ということもあって多くの買い物客がいた。犯人は現場から逃走したようだが、同日夜に現場近くで男性の遺体が見つかった。犯人の可能性があるという。
ただ実行犯は複数との情報もあり、事件解決には至っていない。警察は周囲を封鎖し、住民に外出を控えるように呼びかけた。地下鉄やバスなど市内の公共交通機関はすべて運休し、中央駅は列車の発着を見合わせた。
独政府は23日中に危機対策会議を開き、治安対策を担当するデメジエール内相が現地入りする。
欧州では南仏ニースでトラックを暴走させるという手口のテロが起きた。ドイツでも18日に南部ドイツを走行中の列車でアフガニスタン人の難民の少年がおのやナイフを振り回し、5人が重軽傷を負う事件があった。いずれも容疑者はイスラム過激派の思想に染まっていた疑いがある。
ただ今回の銃乱射事件では犯人像や動機は、まだわかっていない。それでも凶悪犯罪が比較的、少ないとされたドイツで殺傷事件が相次ぎ、欧州社会で「治安」への懸念が高まるのは避けられない。各国政府の政策にも影響を与えそうだ。