【都知事選】鳥越氏に文春、女性問題報じる…弁護団は抗議文送付 小池氏には「殺害予告」
東京都知事選(31日投開票)に野党統一候補として立候補しているジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が、21日発売の「週刊文春」に過去の女性に対する疑惑を報じられることが20日、分かった。同氏の選挙事務所は、記事は事実無根とし同誌に対し刑事告訴も辞さない姿勢を示した。また、元防衛相の小池百合子氏(64)がネット上で殺害予告を受け、20日に警視庁池袋署に被害届を提出したことが明らかになった。選挙戦中盤で本来の政策論争とはかけ離れた予期せぬ展開が発生した。
舛添要一氏(67)が都知事を辞職するきっかけとなった政治資金の私的流用問題など、政治家、芸能人のスキャンダルを次々と暴いてきた“文春砲”が鳥越氏を直撃した。
同誌が過去の女性に対する疑惑を報じた。この日、鳥越氏は世田谷区内の保育園を視察した後にJR品川、蒲田駅で街頭演説を行った。「私は他の候補者と違って、聞く耳を持っています!」とアピールしたが、取材陣からの文春の記事を問われると無言を貫いた。鳥越氏の選対関係者は「まだ記事を読んでいないので、答えられない」としたが、夜になり報道各社へファクスで弁護団が週刊文春へ抗議文を送付したことを発表。同時に東京地検へ選挙妨害および名誉毀損(きそん)での刑事告訴の準備に入ったことを明らかにした。文春への抗議文も公開し、21日にも告訴するという。
一方、小池氏にも事件が起きていたこともこの日、明らかになった。小池氏の事務所によると、19日午後11時50分ごろ、小池氏に対する殺害予告がツイッターに書き込まれていたことを確認。「あすの朝7時52分、俺は散弾銃で小池百合子をもう殺す」と記されていた。小池氏陣営は20日未明に警視庁池袋署に相談の上、同日午後3時前に被害届を提出。当時、小池氏は毅然とした様子で「このまま選挙活動を行いましょう」と話していたという。
今回の都知事選告示前から、事務所に複数の不審者情報が入っていた。先週末の報道各社による情勢調査で、小池氏が鳥越氏、元総務相の増田寛也氏にリードしたという結果が出た直後には、事務所に「刃物を持った男が街頭演説場周辺をうろついている」という通報もあったりした。
小池氏はこの日、予定通り都内8か所で街頭演説を行った。演説では「なかなか大変です。序盤に(情勢調査で)いい数字が出ているというのは、それだけ狙われていることだと思う」と語り、「私はすでに崖から飛び降りているから命がけ。でも本当に命がけになってしまいました」と改めて覚悟を示した。予告以降は、演説場所の警備員を増やすなど警戒態勢を強めている。
19日には生出演したテレビ番組で白熱の討論を行った2人。今回の番外戦が選挙戦へどのような影響を及ぼすのだろうか。