沖縄県は20日、同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の一部区域を遺跡に決めたと発表した。昨年、中世の船に使われていた碇石(いかりいし)が見つかり、さらに名護市教委の調査で近世の陶磁器が見つかるなど計29点が発見された。この区域は、安倍政権が進める米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設計画で埋め立て予定区域内にあり、移設計画に遅れなどの影響が出てくる可能性もある。
県教育庁文化財課によると、遺跡になったのはキャンプ・シュワブがある辺野古崎の先端部の陸域と海域を含む区域。県は、碇石や陶磁器などの遺物の年代が周辺の遺跡と異なることから新たな遺跡と判断し、文化財保護法に基づく「周知の埋蔵文化財包蔵地」にした。
文化財保護法は「包蔵地」を開発する際には、事前に地元自治体が発掘調査をして記録を残すことを求めている。名護市教委の担当者は調査の期間や規模について「(調査を)やってみないとわからない」という。
県の遺跡決定について、菅義偉官房長官は20日の会見で「政府としては決まりに従うのは当然だと思う」とした上で「主張すべき点があれば主張していく」と話した。(岡田玄)
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