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【改憲始動(5)】
国民投票へ最短シナリオ 成否を分ける自民の本気度
12年に衆院憲法調査会(憲法審査会の前身)の初代会長に就いた中山太郎元外相は「憲法は国民のものであり、調査会は全政党の議論の土俵を作る場である」との信念から、「公平」な調査会運営にこだわった。各党の議席数に応じて質疑時間を割り当てるのではなく、少数政党にも同じ質疑時間を配分した。
そうした運営で野党を改憲論議の場に引き込むことには成功したが、与野党合意は実現することはなかった。「中山(太郎)学校の門下生」を自任する保岡興治衆院憲法審査会長も野党に配慮した審査会運営を重視する一人で、公平な運営方針を引き継いでいる。
「民進党の主張は『安倍政権の間は憲法改正の議論には応じない』から『自民党の憲法改正草案の中身がダメだ』に変わり始めた。落としどころを見いだすことは可能だ」。憲法族議員はそう強調するが、ある自民党幹部は不満そうに漏らした。
「結局、保岡さんたちは野党に翻弄されているだけではないのか…」
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改憲勢力にとって、ゴールは国会発議ではなく、憲法改正の成就だ。安倍首相は7月11日の記者会見で、「憲法改正を決めるのは国会ではない」と強調した。国民投票で一票でも多い賛意を得られるかが焦点となる。