トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

[高校野球]クラーク、創部3年目で初甲子園 東邦は藤嶋が貫禄の7イニング無失点

2016年7月22日 紙面から

1回表のピンチを3者三振で切り抜け雄たけびを上げる東邦の藤嶋=愛知県の春日井市民球場で(小沢徹撮影)

写真

 3大会で決勝が行われ、北北海道ではクラークが春夏通じて初の甲子園出場を決めた。通信制の高校が夏の全国選手権大会に出るのは初めて。八戸学院光星(青森)は春夏連続出場を果たし、鶴岡東(山形)は昨年に続いて代表の座を手にした。2014年に全国制覇した大阪桐蔭は3回戦で姿を消した。

    ◇

◆東邦・藤嶋 感情むき出しの投球で初戦突破

 愛知県大会 東邦5−0渥美農

 2年前の夏がよみがえった。プロ注目の東邦・藤嶋健人投手(3年)の最後の夏が、雄たけびとともに幕を開けた。昨夏も3回戦で苦戦した渥美農を相手に7イニング4安打無失点8奪三振。6球団のスカウトの前で、貫禄の投球を披露した。

 初回がいきなりのクライマックスだった。四球と安打で無死一、三塁のピンチ。そこから藤嶋劇場が始まった。直球狙いを察知し、全てナックルカーブを決め球に相手クリーンアップを3者連続空振り三振。「自然に出た」という体が1回転するほどの大きなガッツポーズで気迫を表現した。

 「夏は雰囲気。乗ったもん勝ち。自分が引っ張るくらいの勢いでやりたい」と藤嶋。2回の打席で死球を受けた際は、一塁に向かいながら相手の2年生投手に向かって手を上げ、「ピッチャー、OK」と声を掛けた。またマウンドでスリーアウトを取ると、外野手に「戻ってこいよ」とばかりにジェスチャーした。

 「この夏は結果が全て。結果が良かったら、気持ちを全部出すつもり」

 1年夏の甲子園デビュー時は投げるたびに声を上げ、気合を前面に出した。だが、エースとなった1年秋以降は内容を重視するあまり、感情をあらわにする機会は減っていた。最後の夏、感情むき出しの藤嶋が戻ってきた。楽天の福田功・チーム統括本部副会長補佐は「平成ではなく、昭和の匂いがする。本当の野球小僧」と表現した。

 直球は広島、阪神のスピードガンで142キロをマークした。高校通算48本塁打を誇る打撃は3打数無安打だったが、修正点は分かっている。「もう一度、みんなで甲子園に行きたい。思いは強いです」。エースで4番、主将の藤嶋がこの夏も主役だ。 (麻生和男)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ