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【プロ野球】

西岡、選手生命のピンチ 左アキレス腱完全断裂だった

2016年7月22日 紙面から

阪神−巨人 2回裏2死三塁、左翼線に同点打を放った際に左足首を痛めて一塁手前で転倒し動けないまま顔をゆがめる西岡=20日、甲子園球場で(千葉一成撮影)

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 20日の巨人戦(甲子園)で左アキレス腱(けん)を断裂した阪神・西岡剛内野手(31)が21日、大阪府内の病院で再検査を受け、同部の完全断裂が判明した。プロ野球の第一線で完全復帰を目指すとなれば、前例を見ても手術は不可避。プレー再開まで1年近くを要した症例もあるため、野球生命の危機に面したとも言える。メンタル面を含め、再起へ向けた決断は西岡本人に委ねられる。

 西岡はこの日、MRIによる再検査を受けた。アクシデントが起こった前夜、甲子園から直行した病院で腱の断裂は確認されていたが、一夜明けて「最悪」の完全断裂という診断が待ち受けていた。

 野球界に携わる医療専門家によれば、アキレス腱の完全断裂から万全の状態でプレー復帰するためには手術が不可避だという。さらにリハビリは地道かつ長期間に及ぶ。一般的に歩行可能まで約3カ月。体力差や程度にもよるが、1995年に完全断裂した広島・前田智徳は術後、実戦復帰まで1年近くかかった。

 球団のトレーナー陣は西岡の容体について一様に口をつぐんだが、球団首脳は「原因がはっきりしなければ、リハビリもより慎重にならざるを得ない」と、懸念する。

 何かに激突、あるいは選手間で接触して腱が切れたのなら原因は明確だが、単純に走塁中の断裂となれば筋肉の付き方がどうだったのかなど繊細に究明しなければならないという意味だ。原因が曖昧なら、西岡は必要以上に再発への恐怖心と闘わなければならない。

 前夜、西岡は泣いていた。瞬間的に症状の重さを自覚できたのだろう。14年には開幕直後の巨人戦で福留と激突し骨折。昨年5月には右肘靱帯(じんたい)の損傷が発覚した。今季は左太もも裏の痛みで途中離脱し、再昇格後は右肩の痛みを抱えながらプレーを続けていた。

 阪神移籍後はまさに満身創痍(そうい)。ケガに悩まされ続け、西岡に近い関係者によれば、昨季は現役を退く選択肢も頭をよぎったという。選手生命を左右する岐路に立たされた。もう一度、自らを奮い立たせて再起を目指すのか、それとも…。西岡本人の決断を待つしかない。

 

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