魔夜峰央先生が「花とゆめ」誌上で「パタリロ!」の連載を開始したのは1978年ですから、もうすぐ40周年です。そしていまだ連載が続いている事も驚きです。40代の腐女子諸姉の皆さんにとっては、アニメ化された「パタリロ!」も馴染みがあるんじゃないでしょうか。僕もアニメから「パタリロ!」を知ったクチです。
BLを堂々とゴールデンタイムに放映出来た時代
パタリロ殿下のビジュアルがなかなかインパクトがあったので、すぐに覚えました。名前も口に出して発音すると楽しいし。僕と同世代の腐女子諸姉は「パパンがパンだーれが殺したクックロビン」を一度は踊った経験がある事でしょう。クックロビン音頭なんてのもありました。
後にマザーグースを起源として萩尾望都作「ポーの一族」へのオマージュ、パロディである事を知って震えたものです。
そしてなんと云っても、「同性愛をごく自然に取り扱っていた」事に対する驚愕たるや、当時小学生の童貞だった僕は理解出来ずに長い間モヤモヤしていたものです。MI6の敏腕スパイとして登場するジャック・バルバロッサ・バンコラン(通称バンコラン)はやたらに濃いアイシャドウの長髪美男子で、「美少年キラー」の異名を持っているんですぞ。
見た目も性癖もインパクトありまくりです。
この魔夜峰央先生流耽美が満開の絵柄が最高ですね。当時から僕は少女漫画を楽しんでいる小学生男子でしたので恋愛ものに対する免疫はそれなりに持っていたものの、同性愛者の存在をどう受け止めていいんか判っていませんでした。が、ココまで自然に扱われると、まあそういう事もあるのかなあ程度に感じてしまえたのも事実です。
綺麗な見た目だったら男でも男の人に好かれる事もあるんだね、みてーな。薄っすら間違ってる気もしますが合ってる気もします。
実際劇中でバンコランは、登場する美少年を悉くトリコにしてしまいます。そして後に恋人となる刺客のマライヒも落としちゃいます。
つーか、これ19:00からのアニメで放映してたんですよ。今となっては信じられませんね。ボキボキ、いやドキドキしながらみていたものです。たぶん、初めてアニメでSEXシーンを観たのはこのタイトルだったんじゃないかなーと思います。
昔は土曜ワイド劇場などのサスペンスものでも平気でレイプシーンなどの演出が放映されていましたから、いわゆるベッドシーンを観た事はあったわけですが、アニメでしかも男性同士のSEXを観たワケですから、そりゃ印象に焼き付くワケです。
どうでもいい話ですが、原作ではマライヒがバンコランの子供を産んだりします。
そんなパタリロがまさかの舞台化
もちろん、仕掛けたのはネルケプランニングです。2.5次元の立役者ですね。この程キャストが発表されたので、その役者さんを確認してみようと思いますよ。
パタリロ/加藤 諒
すばらしい!このキャスティングが成立した時点で半分勝ちですね。背の高いイケメン両さんとは大違いです。彼がキャスティングされただけで、俄然観てみたい度が跳ね上がりました。全力で殿下になり切ってもらいたいですね!
バンコラン/青木玄徳
バンコランかー。青木さんがむさむさ顔立ちが綺麗なのはその通りなんですが、バンコランが持つ妖艶な美しさとはちょっと違うような。いやそもそもこんな人間が実在するハズもないのは判っていますから、無茶な高望みだと自覚しています。冷静、沈着、浮気癖、といった印象を期待してしまうので、写真だけで「おお!」とはなりませんでした。と云っても重要なのは演技、動き、でしょうから過去出演作を漁ってみましょうかねえ。声は野太く、低いといいなあ。アニメ版みたいに。で、パタリロにいじられてキャラクタ崩壊する流れは欲しいですね。
マライヒ/佐奈宏紀
んー。コレもまあ。なー。美しい顔立ちの役者さんですね。女性的と云えば女性的な柔らかさを持った顔立ちだと思います。が。マライヒってのはもっとこう、なんつーか。
華奢?繊細?
そう云うイメージなんですよねえ。女性と見紛う程に強烈な美貌とモデルのように細くしなやかな身体。ちょっと過去記憶美化の傾向があるかもしれませんが、なんだったら女性が演じてもいいかと思うくらいに美しい男性キャラクタなんですよね。やーでもあれか、やっぱ演技と動きを観ない限りなんとも云えないか。そらそうか。物凄く気になる要素です。
タマネギ部隊/細貝 圭 金井成大 石田 隼 吉本恒生
まあね。タマネギ部隊は、適度にかっこよかったらいいんじゃないかなと思います。見たところみなさん端正なお顔立ちの若者ですから、全然OKじゃないでしょうか。つか、口にダイヤ型の何かを付けたりはしないんでしょうね、きっと。殿下と一緒にバタバタとステージ上を駆け回ってくれる事でしょう。
最後に
取り敢えず、気にはなりましたよね?僕は少なくとも、殿下の役者さんだけでもその動きや演技を観てみたくなりました。もしかしたら、会場全員でクックロビンとかもアリかも。お、それいいな。あと、バンコランとマライヒのラブシーンも見所の一つになるでしょうね。耽美的なエロに期待。■■
このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 (Konomanga ga Sugoi!COMICS)
- 作者: 魔夜峰央
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2015/12/24
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