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【サッカー】

手倉森ジャパンがブラジルへ出発 五輪メダルへ3禁指令

2016年7月22日 紙面から

ブラジルへの出発セレモニーであいさつするリオ五輪サッカー男子代表の手倉森監督(中)=羽田空港で(佐藤哲紀撮影)

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 リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子の日本代表が21日、羽田空港からブラジルへ向けて出発した。手倉森誠監督(48)は、寝るな、愚痴を言うな、ブランド品を持参するな、という3禁指令を出して決戦の地へ飛び立った。万全の準備を整え、48年ぶりメダル獲得を目指す。MF井手口陽介(19)=G大阪=は発熱のため、1日遅れて22日に出発が延期になった。日本は8月4日に1次リーグB組でナイジェリアとの初戦に臨む。

 手倉森監督のまぶたは重たかった。第一声は威勢良くなかった。「ちょっと眠いです。朝方まで起きていたので…。誰よりも早く時差調整に入った」。フライト時間だけで1日以上となる長距離移動に備えた。指揮官が最も重要視するのは心身のコンディション。そこで、出発前に3つの禁止事項を出した。

 (1)寝るな

 時差調整のために、出発前日は夜更かしを勧めた。手倉森監督は「飛行機に乗ったらすぐに寝られるように。選手に言った手前、最後まで起きていた」と苦笑いしながらも、細心の注意を払った。

 (2)愚痴を言うな

 長距離移動による疲労は出る。ただ、「ストレスを掛け合わない。イライラしない。『移動なげーなとか』とか言わない」とお達しを出した。チームに漂う空気の調整も怠らなかった。

 (3)ブランド品を持参するな

 治安が悪いとされるブラジル。現地を下見している指揮官は「ブランド品は持って行くなと言った。大会中、大事な物をなくしたとなれば心が動かされる。だから、盗まれてもよかったらもって行けとも言った」と忠告したという。心の危機管理にも気を配った。

 ただ、おまけとしてうれしい禁止令も。千葉合宿(19、20日)の初日にチーム最年長29歳の興梠が「(23歳以下の)選手を食事に連れて行きたい」と申し出たという。これには「まだ初日だから」と却下したが、「(24歳以上の)オーバーエージ選手が早く融合したいという気持ちが伝わった」とにんまり。「新しい歴史を刻むためにメダルを獲得する」という言葉を残し、決戦の地へ飛び立った。 (占部哲也)

 

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