アベノミクスよりポケモノミクス!世界で大ヒット「ポケモンGO」関連株価もUP
世界中で大ヒットしているスマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の日本上陸を控え、政府の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が、トラブル防止のため異例の注意喚起を始めたことが21日、分かった。一方、目前とされる国内配信への期待感から、開発した任天堂だけでなく関連企業の株価が軒並み上昇。「ポケモノミクス」と呼び、市場関係者は久々の活況に沸いている。
「ポケモンGO」関連銘柄の株価が活況を見せている。開発メーカーの任天堂は、21日の東京株式市場で前日終値比235円高の2万8000円で取引を終えた。米国などで「ポケモンGO」の配信が始まった今月6日の終値1万4380円から2倍近い急騰だ。
「ポケモンGO」と連携したサービスを近々実施すると発表した日本マクドナルドホールディングスの株価は、6日終値から18%上昇。マクドナルドの店舗でゲーム内で使うアイテムが手に入るなどのサービスが予想され、ポケモンGO目当ての来客が増え、売り上げに貢献するとの見方が広がっている。
子会社がポケモンのアニメを制作しているイマジカ・ロボットホールディングスの株価は6日終値から約2・3倍に上昇。グループでポケモン関連施設を運営するサノヤスホールディングスは約4・2倍に急騰している。ゲームだけではない。「ポケモンGO」によって、子どもたちが外で遊ぶ機会が増えるとの期待から、児童靴メーカー・アキレスの株価が10%上昇するなど「連想買い」の現象も。一ゲームが他の会社の収益に影響するのは極めて珍しい。
英国のEU離脱で急落した日経平均株価は、「ポケモンGO」関連の株価急騰と時を同じくして上昇。経済アナリストの森永卓郎氏は、ポケモノミクスの国内市場全体への影響については否定的だが、「任天堂の株価には今後20年くらい好影響を与えていくことになると思います。(1983年に)ファミコンを発売した時と同じか、それ以上のインパクトですね」と指摘。経済評論家の荻原博子氏は「任天堂はヒット商品が出れば株価は上がるんだ、という本来あるべき姿を市場全体に示したと思います」と分析している。