井上ひさしさん書き下ろしの文楽作品 舞台稽古を公開

井上ひさしさん書き下ろしの文楽作品 舞台稽古を公開
6年前に亡くなった作家・井上ひさしさんが文楽のために書き下ろした唯一の作品が、23日から初めて文楽の舞台で上演されることになり、大阪の国立文楽劇場で舞台稽古が公開されました。
上演されるのは、井上ひさしさんが残した唯一の文楽作品「金壺親父恋達引」で、昭和47年に井上さんがフランスの作家、モリエールの「守銭奴」を基に書き下ろしました。

これまでテレビで放送されたことはありましたが、文楽の舞台で観客を前に上演されるのは初めてで、公演を前に22日、報道陣に舞台稽古が公開されました。作品は金に人一倍執着する主人公の呉服店の主を中心に繰り広げられる騒動をコミカルに描いています。稽古では、実力派の人形遣い、桐竹勘十郎さんがテンポのよい語りに合わせて巧みに人形を操り、井上さんの作品らしいユーモアを表現していました。

桐竹勘十郎さんは「上演にあたって、舞台の背景を動かしたり、大阪ことばも織り交ぜるなど、工夫を凝らしました。お客さんの反応にどきどきしています。楽しんでいただけるとうれしいです」と話していました。

公演は大阪の国立文楽劇場で23日から来月9日まで行われます。