クローズアップ現代

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No.38422016年7月21日(木)放送
“消費される”若者たち ~格差社会の新たな現実~

“消費される”若者たち ~格差社会の新たな現実~

広がる“個人請負” 若者をどう守るか

雇用のセーフティーネットには、3段階ある ただ、こうした現状があるということは、個人請負の人たちを守りきれてはないということ?

鈴木さん:第2のネットも、もちろん個人請負だった方も使えますし、第3のネットも、働いていても生活保護が、悪い収入しかなければ、活用することができます。
ただ今回、個人請負という働き方でいうと、第1のネットの在り方が結局、雇われて働くという働き方しか想定されない、カバーされないので、第1のネットを、現状の働き方の多様化に合わせて考え直していくということが必要だと思います。

視聴者の方より:「行政や制度はどうなっているの?」
今後、どうしていけばいいと思う?

阿部さん:行政がしっかりしなくてはならないというのは当然のこととして、どうしてもばらばらになりがちな彼らが、組合を作るなりして連帯していくことが必要だと思います。
今の時代、中間層が薄くなる中で、生活者と労働者の権利が、利害にぶつかるようになってきていると思うんです。
彼らは見方によっては、すごく都合のいい労働者なんです。
だから、彼らの待遇を良くするために、われわれが少しは我慢するというか、生活者主義を見直していく必要があるかなと思います。

鈴木さんは、どのようにすればいいと考える?

鈴木さん:今、子どもたちや若者の貧困が広がっている中で、チャレンジするために、3つのことが必要だと思います。
この3つぐらいはないと、再チャレンジどころか、チャレンジすらできないと思います。
1つは、住宅の問題ですね。
住まいがなければ、ああした住み込みのところしか選ぶことができません。
また奨学金も、大きな借金になってしまってリスクになりますので、給付型奨学金。
さらに、大学生になる方以外にも、高卒者向けの既存の職業訓練大学校などもございますけれども、そうしたものの拡充やメニューの多様化が必要だと思います。

今回のグラレコ

番組の内容を、「スケッチ・ノーティング」という会議などの内容をリアルタイムで可視化する手法を活かしてグラフィックにしたものです。

質問
コーナー

Q1

個人請負へのサポート態勢はどうなっているのか?

正社員や派遣・契約社員と比べて、最低賃金や労働時間、各種保険など守られていません。個人請負の場合、請負契約を結んだだけで企業に雇用されているわけでなく、労働者としての保護をうけることはできないためです。裁判で労働者としての地位を認められることもありますが、泣き寝入りのケースも多いといわれています。
Q2

多くの若者が個人請負で働くというのは、いつの時代にもあることなのでしょうか?

もともと、個人請負は、専門性の高いスキルを持った人がいろんな会社を渡り歩き、高収入を得られる新しい働き方とされていました。しかし、昨今デフレや規制緩和により、人件費削減の一環として、専門性の低い仕事でも個人請負が広がり始めていると専門家は指摘しています。その数は161万人にのぼるとみられています。

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