一口に「学資保険」と言いますが、その商品内容は各保険会社によって千差万別と言って良いでしょう。
かつては「万一の場合」に重きを置く「保障型」が中心でしたが、現在では高い返戻率を謳う「貯蓄型」が主流となっています。かんぽ生命の学資保険の内容が大きく変更されたのは、この流れを象徴するものと言えるでしょう。
しかし、「貯蓄型」と言われるものも、保険会社によってかなりの違いがあり、どの保険商品を選んだら良いのか、迷う方が多いのではないでしょうか。
一旦加入してしまうと、なかなか他に変更することは難しい学資保険。加入前に腰を据えて内容を確認することが必要です。
特に保険会社が決まっていない方には「保険の窓口」のようなところにご相談されるのも一つの方法かなと思います。
今回は、実際に相談される前の判断材料の一つにしていただけるように、人気の「学資保険」ベスト5を徹底比較してみました。
比較する視点として、学資保険の内容を単なる返戻率による比較だけでなく、保険金の支払い方法や時期について弾力的にプランの作成が可能か、保険金の受け取り時期が、実際にお金が必要な時期に本当にマッチしているのか、という点にも留意してみました。
また、銀行預金など他の業態の金融商品と比較する場合の参考として、「年利」に引き直した数字も計算してみました。
なお、比較する際には、全ての商品をなるべく同一の条件で比較するように心掛けていますが、内容によっては出来ないものもありますので、予めご了承ください。
1 学資保険「人気ランキング」のアンケート調査について
1-1 楽天リサーチによる調査、どのような手法で調査したのか?
学資保険に加入した方が、どこの会社の保険に加入したのか、どんな学資保険が人気なのかを調査した「楽天リサーチ」のアンケート結果があります。
このようなアンケート調査はなかなか無いので、貴重な資料と言えるでしょう。
内容に入る前に、この調査の概要について一応触れておきます。
調査主体 | 楽天リサーチ |
調査地域 | 全国 |
調査対象 | 20~49歳の小学6年生以下の子供がいる主婦 |
調査日時 | 2014年7月15日~7月16日 ※2015、2016年の最新情報も追加集計 |
有効回答数 | 予備調査 10,000サンプル 本調査 300サンプル |
調査結果 | 学資保険に加入した主婦は100人、別保険に加入した主婦は200人 |
このアンケート調査について一言補足します。(統計学上の話ですので、興味のない方は読み飛ばしていただいても結構です。)
本調査の母集団が少ないような気がしますが
このようなアンケート調査をする場合、全ての国民を対象に調査をする訳にもいかないので、標本調査(サンプリング調査)という手法を取ります。
統計学上で「このくらいの数をサンプルとして抽出すれば、ほぼ現実に近い結果が得られるかも。」というサンプル数を選んで調査するものです。
全体数が多いほど、サンプリングの数も多くなると思われがちですが、実は下記のように100万人以上の場合は384より増えることはありません。
全体数 | サンプル数 |
100 | 80 |
1000 | 278 |
10000 | 370 |
100000 | 382 |
1000000 | 384 |
10000000 | 384 |
なお、調査の手法上、標本調査(サンプリング調査)は、サンプルの取り方次第では実際とかけ離れた結果が出る場合もあるということに留意してください。
今回、サンプル数が300ということで、少しすくないかなという気もしますが、それ以前の予備調査の段階で条件通りに保険に加入していた方が300しかいなかった可能性もあります。調査としては、ある程度の信頼性はあると評価できると思います。
実際、加入した保険会社名が具体的に示されている資料は非常に貴重なものだと思いますので、この結果を参考にして「学資保険」ベスト5を選び、それぞれについて調べてみたいと思います。