「今の阪神は選手と監督の信頼関係がありませんね。私は、藤村(富美男)、若林(忠志)、土井垣(武)の頃からのファンだが、ここまでひどいチームは見たことがないですよ」
のっけから厳しい口調でこう語るのは、阪神ファンの佐藤司氏(神奈川大名誉教授)だ。
金本新監督が「超変革」のスローガンを掲げてスタートした今季の阪神。開幕直後は抜擢した若手も奮起し、チームに活気もあったが、ここにきて完全に息切れだ。前カードは甲子園で巨人に3連敗。90試合を消化して早くも50敗目で借金13である。13年目の鳥谷(35)に衰えが見え始め、左腕・能見(37)や出戻り藤川(36)にも、全盛期の面影はない。チームの若返りを図るため、経験不足の選手を起用することに異論を唱えるファンはいないだろう。問題は金本監督のハンドリングだ。冒頭の佐藤氏がこう続ける。
「やっぱりコーチ経験がないからだろうね。選手とコミュニケ―ションがうまく取れていないのではないか。選手も大人なのだから、相手の気持ちを考えるのは必要なこと。例えば、好機に凡退したり、守備でミスした鳥谷選手について、なぜマスコミの前で厳しいことを言うのか。連続出場記録があろうが、ダメなら外せばいい。なのに使って結果が出ないのだから自分の責任じゃないですか。鳥谷に元気がないのは、必ずしも調子が悪いことだけが理由ではないでしょう。チームの雰囲気が悪いのは、金本監督の言動に問題があると思う」
■監督とキャプテンの間に吹く“隙間風”
鳥谷は今年3月に出版した自著「キャプテンシー」の中で、覇気がないことや、声を出さないことの真意を《「覇気を感じさせれば、それでいいのか? 感情を出さないと、やる気がないことになるのだろうか?」そんなことはないはずだ……やる気を前面に出せば成績があがるというものでもないだろう》と語り、《覇気がない、闘志が感じられないと周りからみえるのは、常に考え、集中しているからだ》とも言っている。
金本監督の就任直後に「全部ダメだ、変われ」と言われたことへの反論とも受け取れる。監督とキャプテンの間でコミュニケーションが取れていないどころか、隙間風が吹き荒れているようなのだ。
鳥谷に厳しく当たる金本監督について、あるOBはこんな見方をしている。
「そもそも鳥谷は苦言をバネにして伸びる選手ではないし、リーダーシップもない。黙々とプレーして結果を出し、チームに貢献することがベストだと考えるタイプ。金本監督は広島時代、大して期待もされていない選手だったが、努力と負けん気であそこまでになった。性格も生き方も違う鳥谷に同じことを求めているとすれば、監督としては失格ですよ。鳥谷は気持ちを表情や態度に表す選手ではないが、精神的にかなり参っているんじゃないか」
■若手も萎縮
鳥谷だけじゃない。「若手も萎縮していますよ」というのは、阪神ファンの麻生千晶氏(作家)だ。
「大嫌いな巨人と阪神の若い選手が決定的に違うのは、状況判断です。この場面でどうすればいいのか、何をやるべきかが、悔しいが巨人の若手は分かっている。北條クンなんて20日の試合では2度の満塁の好機に捕邪飛と併殺です。考えてバットを振っているとは思えない。そんな子供に対して、ダメならマスコミの前で苦言を呈したり、二軍落ちでしょ。みんな萎縮しますよ。金本監督は選手時代から好きでしたが、名選手、名監督にあらずという感じになってきましたね」
阪神ファンの怒りはまさに怒涛のごとし。
「私だって頭に来ています」というのは、19日の試合を甲子園で観戦したひろさちや氏(宗教評論家)だ。
「私は試合開始3分前ごろに席に着いたのですが、スタメンマスクが新人の坂本(誠志郎=明大)と知ってビックリしました。これは3連敗だなと思ったらやっぱりです。しかも、序盤に先発能見がKOされると、翌日の新聞には金本監督が『能見が(坂本と)組んでみたいというから』というコメントが出ていた。まるで能見の責任みたいに聞こえる。使ったのは監督なんだから。金本監督は敗因をよく選手のせいにしているけど、リーダーがもっとも言ってはいけないことですよ。ここまで見てきましたが、もう監督としての能力がないことははっきりした。采配だっておかしい。その日の初回の攻撃もそう。先頭の西岡が二塁打で出塁すると、2番の鳥谷にバントをさせず捕邪飛に終わった。攻撃陣にポンポンヒットが出る状態ではないし、あそこは定石どおり犠打ですよ。実際、この試合は原口選手のソロホームランの1点だけ。金本監督は二軍で勉強して、その間は掛布二軍監督に采配を振ってもらった方がいい」
巨人に3連敗が濃厚となった20日の試合、九回の攻撃前には、ファンが「六甲おろし」を大合唱した。これを異例のハッパと報じたスポーツ紙もあったが、金本監督へのブーイングか、抗議とみるべきだ。
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