トランプ氏受諾演説 国益最優先の姿勢鮮明に
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アメリカ大統領選挙で共和党の大統領候補に指名されたトランプ氏が受諾演説を行い、国益を最優先にする姿勢を鮮明にして、テロ対策の強化や保護主義的な貿易政策、大幅減税などで社会や経済を立て直すと訴えて支持を呼びかけました。
中西部オハイオ州で4日間にわたり開かれてきた共和党の全国党大会は、最終日の21日夜、日本時間の22日午前、大統領候補に指名されたトランプ氏が受諾演説を行いました。
この中でトランプ氏は民主党のオバマ政権下でアメリカの負債は増大し、社会は危険になり、世界が不安定化したなどと批判したうえで、国務長官を務めた対立候補のクリントン氏は「死と破壊とテロと弱さを残した」と強く非難しました。
そして現状を変えるには政権交代が必要だと主張し、みずからが掲げる政策の柱として、「われわれの政策はアメリカ第一であり、グローバル主義ではなくアメリカ主義が信条だ」と述べ、国益を最優先する姿勢を強調しました。
具体的には、治安の回復に力を入れるとしてテロ対策の強化を打ち出し、「テロに屈した国からの移民を即刻差し止める」と述べて、移民の受け入れを制限する方針を示したほか、国境に壁をつくるという従来の主張を改めて強調しました。
また経済政策ではTPP=環太平洋パートナーシップ協定について「製造業を破壊する」などと批判して、貿易面での保護主義的な姿勢を強く打ち出すとともに、大幅な減税や規制緩和により雇用を増やし経済を立て直すなどと主張しました。
さらに安全保障政策では「われわれが大きな損失を抱えながら守っている国々は公平な負担の支払いを求められるだろう」と述べ、日本も念頭に同盟国にさらなる負担を求める考えを示しました。最後にトランプ氏は「私はあなたとともにある。アメリカを再び偉大にしよう」と述べて支持を訴えました。
今回の演説でトランプ氏は、外交より国内問題に重点を置くなど、孤立主義という批判もあるアメリカ第一主義を鮮明にしたかたちです。トランプ氏は今後、この政策を前面に掲げ、11月の本選挙での民主党のクリントン氏との対決に向けて選挙戦を本格化させます。
この中でトランプ氏は民主党のオバマ政権下でアメリカの負債は増大し、社会は危険になり、世界が不安定化したなどと批判したうえで、国務長官を務めた対立候補のクリントン氏は「死と破壊とテロと弱さを残した」と強く非難しました。
そして現状を変えるには政権交代が必要だと主張し、みずからが掲げる政策の柱として、「われわれの政策はアメリカ第一であり、グローバル主義ではなくアメリカ主義が信条だ」と述べ、国益を最優先する姿勢を強調しました。
具体的には、治安の回復に力を入れるとしてテロ対策の強化を打ち出し、「テロに屈した国からの移民を即刻差し止める」と述べて、移民の受け入れを制限する方針を示したほか、国境に壁をつくるという従来の主張を改めて強調しました。
また経済政策ではTPP=環太平洋パートナーシップ協定について「製造業を破壊する」などと批判して、貿易面での保護主義的な姿勢を強く打ち出すとともに、大幅な減税や規制緩和により雇用を増やし経済を立て直すなどと主張しました。
さらに安全保障政策では「われわれが大きな損失を抱えながら守っている国々は公平な負担の支払いを求められるだろう」と述べ、日本も念頭に同盟国にさらなる負担を求める考えを示しました。最後にトランプ氏は「私はあなたとともにある。アメリカを再び偉大にしよう」と述べて支持を訴えました。
今回の演説でトランプ氏は、外交より国内問題に重点を置くなど、孤立主義という批判もあるアメリカ第一主義を鮮明にしたかたちです。トランプ氏は今後、この政策を前面に掲げ、11月の本選挙での民主党のクリントン氏との対決に向けて選挙戦を本格化させます。
娘のイバンカさん 父は女性のために取り組む
トランプ氏の指名受諾演説を前に演説した娘のイバンカさんは、「政治家は男女の賃金格差の問題について話をするが、父は仕事を通じて格差是正に取り組んできた。父は男女間の賃金と仕事の平等のために闘う」と述べ、トランプ氏が女性のために取り組むとアピールしました。
そのうえで「次期大統領となる私の父をすべてのアメリカ国民に紹介でき、これ以上ない光栄です」と述べ、指名受諾演説に臨むトランプ氏を壇上で紹介しました。
そのうえで「次期大統領となる私の父をすべてのアメリカ国民に紹介でき、これ以上ない光栄です」と述べ、指名受諾演説に臨むトランプ氏を壇上で紹介しました。
米紙 具体性乏しい 異色ぶり指摘
トランプ氏の指名受諾演説について、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは、「柔らかいことばで幅広い層にアピールするという伝統的な選挙戦のルールをトランプ氏がかなぐり捨てていることが改めて証明された」として、過激な言動を繰り返してきたトランプ氏が演説でも自分のスタイルを貫いたという見方を示しました。そして、「トランプ氏は11月に政権を奪還するため、アメリカという国をおどろおどろしく描写し、法と秩序を回復させると主張することで、不満を抱き忘れ去られたと感じている有権者に訴えかけた」として、トランプ氏が支持基盤である白人労働者層に意識した演説を行ったと分析しました。一方、「トランプ氏の演説は誓約の部分が長く、どのように誓約を実現するかについての部分は短かった」として、演説では政策について具体性に乏しかったと指摘しています。
また、有力紙、ニューヨーク・タイムズは、「トランプ氏はアメリカを弱体化した国家として描き、自分自身のことを国を復活させられる全権を持った救世主に見立てた」として、トランプ氏が犯罪や不法移民、敵対する国家などに対する不安感をあおったうえで、自分が掲げる強硬路線の必要性をアピールしたと分析しました。さらに、「指名受諾演説は伝統的には楽観的で希望に満ちているものだが、トランプ氏は何度も「脅威」ということばを使い、戦時中の大統領のような印象だった」として、その異色ぶりを指摘しています。一方で、演説の中身について、「女性やヒスパニック系、それに黒人などにとっては、享受できる政策が比較的少なく、トランプ氏の扇動的な策略はうんざりさせるものだった」として、女性やマイノリティーの支持の獲得はできなかったとの厳しい見方を示しました。
また、有力紙、ニューヨーク・タイムズは、「トランプ氏はアメリカを弱体化した国家として描き、自分自身のことを国を復活させられる全権を持った救世主に見立てた」として、トランプ氏が犯罪や不法移民、敵対する国家などに対する不安感をあおったうえで、自分が掲げる強硬路線の必要性をアピールしたと分析しました。さらに、「指名受諾演説は伝統的には楽観的で希望に満ちているものだが、トランプ氏は何度も「脅威」ということばを使い、戦時中の大統領のような印象だった」として、その異色ぶりを指摘しています。一方で、演説の中身について、「女性やヒスパニック系、それに黒人などにとっては、享受できる政策が比較的少なく、トランプ氏の扇動的な策略はうんざりさせるものだった」として、女性やマイノリティーの支持の獲得はできなかったとの厳しい見方を示しました。