どうも、@butamissa0 です。
DMPってご存じですか?データマネジメントプラットフォーム、略してDMP。Webディレクターや、企業のマーケターの方なら知っている方も多いでしょう。
あとはデータという言葉も入っているので、エンジニアの方も気になるワードでしょうか。
いわゆるビッグデータを溜め込んだ箱(データサーバー)をイメージしていただけるといいかと思います。ただ、ここで溜め込むデータはマーケティング施策に活かすために、エクスポートを想定したデータの構造を持たせることがポイントとなります。
そんなDMPを調査していると、大きく「広告配信最適化向き」「CRM向き」があることがわかったので、まずはその違いをご紹介します。
広告配信最適化型のDMP
DMPを導入するメリットの一つが、広告配信の精度を高めることです。
ここ数年、バナー広告はSSP(サプリサイドプラットフォーム)とDSP(デマンドサイドプラットフォーム)それぞれでRTB(リアルタイムビッティング)によって配信管理する方法が一般的でした。
でも、このシステムでは広告配信精度があまり高くないという問題がありました。
例えば...コーラを売りたい事業主のケース
これまでDSP上でコーラのバナー広告を入稿し、SSP側がRTBによって設定されている金額で配信する広告を選択していました。
このようなDSP/SSP/RTBの仕組みだと、ユーザーのインサイトや行動履歴がわからないので、
・広告が表示されているユーザーはコーラに興味がない
・広告が表示されているユーザーは既にコーラを購入した直後かもしれない
といった必要のない人に対しても広告を配信しており、余計な広告費用が発生していたのです。
そこでユーザーのインサイトや行動履歴を記録し、広告配信の精度を高めるためcookieで取得したユーザーのインサイトや行動履歴(これがオーディエンスデータといわれるもの)を記録しDSP/SSP/RTBの仕組みと掛けあわせたのが広告配信最適化型のDMPです。
オーディエンスデータと広告を紐付けることができるようになったので、
・コーラに興味があるユーザーにだけ広告を配信
・コーラを購入したという行動が記録されていたら広告配信を除外
といった、無駄な広告配信を防ぐことができるようになったのです。
CRM向きのDMP
一方CRM向きのDMPは、自社で保有している顧客データや自社で運営しているサイトでの行動履歴を記録するタイプ。こちらは顧客の囲い込み(ロイヤリティ化)に活かされています。
例えば...コーラを売りたい事業主P社のケース
1、Aさんは毎日、P'スーパーでコーラを購入している
2、Aさんは「コーラ夏のキャンペーン」サイトを見に来ていた
3、Aさんは過去1年間、一ヶ月に1回P社のOnline A Shopでビール24本まとめ買いしている。
といった行動の履歴があったとします。
これまでのAnalyticsや顧客分析では、Aさんは
「コーラ夏のキャンペーン」サイトを訪問している、LTVが**円のユーザー
といったように、一人のユーザーとして判別することができていました。
しかし実際には「1」のように毎日コーラを買っている実社会での行動があります。
このようなデータも保存しマーケティングに活かそうという動きが、CRM向きのDMPの特徴です。
例えばスーパーのレジで会員カードを提示してもらいPOSシステムに蓄積された購買データをDMPに保存することで、このAさんのインサイトがより詳細にわかるようになるのです。
これがわかれば、上記条件の場合に
・「コーラとビールをネットショップでまとめ買い知ると10%OFF」を行う
・「コーラ夏のキャンペーン」としてビールとコーラをセット購入
といったような戦略を計画することができるようになります。
またリアルの店舗がない場合でもcookieで取得したオーディエンスデータと自社の顧客情報をかけ合わせると、
Bさんが<「コーラ夏のキャンペーン」サイトを訪問し、今回初めてP社のOnline A Shopでビール24本まとめ買いしている というデータが記録された結果、BさんはAさんに近しい属性を持っているぞ!
といった判断をすることができるようになります。
広告を配信し、自社サイトに流入させたユーザーが会員か非会員かについてもDMP上でデータを参照させて判断し、会員であればECに、非会員は会員登録を促すといったような出しわけもできます。
DMPはビッグデータを使える構造で保存されているプラットフォーム
数年前トレンドワードになっていたビッグデータ。
そのビッグデータをマーケティングに活かすために構築されたのがDMPと私は考えています。
しかしながら、メディアを運営する立場として広告配信最適化型のDMPは外部サイトに流出させるためできれば避けたく、またCRMについても商品購入が発生しづらいのでなかなかデータが蓄積されない。
となれば記事閲覧データを蓄積することを目指すべきと思うのですが、次回はその辺りについて考察しようと思います。