ドイツのザクセン州都であるドレスデンは、人口50万人ほどの街。15世紀にザクセン選帝侯の居住地となり、18世紀には最盛期を迎えて荘厳なバロック建築やルネサンス建築物が建ち並ぶ街並みに成長していきます。まさにドイツの政治・経済・文化の中心地にまでなりましたが、その街並みも第二次世界大戦のドレスデン大空襲で壊滅的な被害を受けます。今日見られるドレスデンの観光スポットの数々は、この悲劇から見事に復興を遂げた姿なのです。
45年の時を経て再建された、フラウエン教会

1726年から17年もの歳月をかけて、プロテスタント教会として建設されたドレスデンのフラウエン教会は、丸い天井が特徴的なバロック様式の建物でした。「大砲を跳ね返す」といわれるほど強い造りをしていましたが、第二次世界大戦のドレスデン大空襲のときに崩壊し、「戦争の傷跡」として瓦礫の山の状態で何十年も放置されていました。再建を望む声が叶えられたのは1994年のこと。11年の歳月をかけて2005年、当時の姿が忠実に再現されてよみがえりました。
石造りの壮大なバロック建築、ツヴィンガー宮殿

アウグスト強王と呼ばれる、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世が1709年から建設計画に着手したツヴィンガー宮殿。木造建築物が多く建ち並んでいた当時のドレスデンにおいては珍しい石造りの宮殿でした。現在、内部は美術館や博物館となっていて、観光客はそのバロック建築の外観とともに内部も存分に楽しめます。巨大な王冠を戴いた「王冠の門」は特に見ごたえ抜群で、ドレスデンのランドマーク的存在ともなっています。
代々のザクセン選帝侯居城、ドレスデン城

ドレスデン城は代々のザクセン選帝侯の居城で、創建が16世紀という歴史あるものでしたが、第二次世界大戦で崩壊してしまいました。2006年に再建され当時のきらびやかな姿がよみがえり、現在はザクセン選帝侯の収集した膨大な量の宝物が保管されています。それとともに目に入ってくるのは、瓦礫となった無残な姿の写真。ザクセンの栄華を見る者に鮮やかに感じさせるドレスデン城は、同時に国というものの儚い盛衰も現実のものとして突きつけてきます。
見事な復興を遂げた街、ドレスデン
ドレスデンの観光スポットを3ヶ所、ご紹介してきました。前述の通り、ドレスデンは第二次世界大戦時に大きな空襲に遭い、居並ぶ壮大な建物のほとんどが灰燼に帰しました。ご紹介したフラウエン教会、ツヴィンガー宮殿、ドレスデン城についても例外ではありません。しかし瓦礫の山から見事に復興を遂げたドレスデンは、そのひとつひとつの建物が当時の姿に忠実に再建されています。ぜひ国の栄枯盛衰ドラマを感じられるドレスデンを訪れてみてはいかがでしょうか。
























