日本でのサービス開始前に政府が異例の注意喚起を行うほどの全世界的な熱狂を巻き起こしているポケモンGO。これに触発されて、マイクロソフトのMRデバイス「Hololens」を使い、現実の風景の中に生息しているポケモンにボールを投げてゲットする非公式のデモが公開されています。
ポケモンGOはスマホ向けARゲームと言われますが、ARとは拡張現実(Augmented Reality)のことで、何らかのデジタル情報を現実に重ね合わせるもの。実際のゲーム内容に即していうと、現実の地図と仮想マップを重ね合わせ、「ポケストップ」や「ジム」がコンビニなど実在の場所に配置されているというぐあい。ポケモンの姿は、あくまでスマホ画面上でしか見えません。
それに対してマイクロソフトのHololensに代表されるMRとは、Mixed Reality(複合現実)の略。現実の世界をCGで拡張し、手や指で触ったり動かしたりできる、いわばARと仮想現実の中にユーザーが没入できるVRの合わせ技です。MRヘッドセットを通じてCGと現実の風景が重ね合わされ、「目の前にポケモンがいる」ように見えるということ。
今回公開されたデモは、米カリフォルニア州にあるKoderというスタートアップによるもの。ポケモンGOを強く意識しており、スマホの画面上ではなく、Hololensでプレイすればどういう世界が見えるかをシミュレートしてみたプロトタイプデモ映像となっています。
映像では、ホログラムで実際の景色に重ね合わされたポケモン達が至るところに出現。柵の向こうの波打ち際や岩場など、人間が入ることが難しい場所にいるライチュウらをボールを投げて安全にゲットする様子が披露されています。大がかりそうに見えますが、開発はCEOのElmer Morales氏とPaul Nguyen氏のたった二人、二日間で仕上げたとのこと。
ポケモンGOはHololensによる非公式のポケモンデモ作りを活発化させており、オランダ・アムステルダムのVRチーム「VR Capitola」に属するDavid Robustelli氏は、室内に現れたポケモンを指先一つでタップして次々と捕まえる映像を公開。そして米ペンシルバニア州在住のエンジニアGeneral Heed氏はボケモンGOをプレイしてバトルにガッカリしたため、自らバトルシーンを作成しています。
スマホの2D画面ではなく、電脳メガネをかけて現実の中でデジタルの生物を見たり触れ合える世界は『電脳コイル』ほかアニメでも悲願とされていたゴールです。もしかするとポケモンがMRの普及を後押しするのかもしれません。