ドイツ人にとっての森とは
風光明媚で知られている「黒い森(Schwarzwald)」(Schwarz=黒、Wald=森)は、ドイツの南西部に広がる森林地帯だ。長さ150km、幅30kmから50kmの広大な帯状の地域で、標高800mから1400mほどの中山が連なる。冬は雪が多く、とても寒い。
黒い森の西の境はライン川。そこからもう少し行くとフランスのアルザス地方となる。森の南西にあるティティ湖は、私の住むシュトゥットガルトから車で2時間ほど。黒い森でただ一つの天然湖だ。そのほとりに、先週の週末より来ている。木の他には別段何もない。
なぜここが「黒い森」と呼ばれているかというと、生えているのが主にドイツトウヒという常緑針葉樹で、一年中、黒く見えるかららしい。
ヨーロッパ原産の、ときに50m近くなるマツ科の木で、10mを超えると枝がカーテンのように垂れ下がってきて、そうでなくても薄暗い森の中で、ちょっと気味の悪い光景を作り出す。
鬱蒼とした黒い森を歩くと、私はいつも、「赤ずきんちゃん」や「ヘンゼルとグレーテル」を思い出す。ドイツのメルヒェンは森を舞台にしたものが多い。
ドイツ人にとっての森というのは、単なる木の集合体ではない。もっと原体験的、あるいは神聖なもので、国民の精神を束ねる支柱のような存在だ。
だから、森に対する愛情は半端ではない。どんな重要な目的が掲げられようとも、森を潰すことはまかりならない。木が切られるとなると、ドイツ人は突然団結し、老いも若きも反対デモに繰り出す。彼らは森に自己のアイデンティティを求めていると言っても過言ではないだろう。
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