【コラム】「韓国型ポケモンGO」に飛びついては駄目だ

 不安感が根底にあるとしか思えない自虐の声も出ている。どうして政府やサムスン電子は拡張現実ではなく仮想現実(VR)に大金を投じたのか、韓国ゲーム業界はこんな革新的なゲームを作らず何をやっているのか、など待っていたかのように内部批判が噴出している。

 ポケモンGOの成功は拡張現実のおかげというより、日本の任天堂がこの20年間積み上げてきた「ポケットモンスター」というキャラクターのパワーによるものと言えるだろう。韓国も拡張現実の技術力がないわけではない。通信大手KTが5年前「ollehキャッチキャッチ」というポケモンGOと同じスタイルのスマホゲームをリリースした。スマホで周囲を映しながら赤いモンスターを捕まえるゲームだったが、反響が少なくやめてしまった。名前も知らないモンスターを捕まえるのか、なじみのあるポケモンを捕まえるのかによって成否が分かれた格好だ。

 今すぐ「韓国型ポケモンGO」を作るなら、私たちはどんなキャラクターを使えばいいだろうか。任天堂のように20年にわたって育て、世界でも通じるキャラクターとストーリーを韓国は持っているのかという自問に、答えはすぐに出てこない。

 韓国は、長年の蓄積が生んだポケモンのパワーには目を向けず、ポケモンGOの大ヒットばかりに気を取られている。政府が前後の見境なく、またしても予算をつぎ込み「韓国型ポケモンGO」を作れと尻をたたくようなことを繰り返すなら、韓国で「世界初」の何かを生み出すのは難しくならざるを得ない。

朴淳燦(パク・スンチャン)産業2部記者
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