東京都台東区の上野公園にある国立西洋美術館が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されることが決まった。トルコ・イスタンブールで行われていたユネスコの世界遺産委員会は今月17日(現地時間)、国立西洋美術館やフランスの「ロンシャンの礼拝堂」など、世界7カ国にある17の建築物を世界文化遺産に登録することを決めた。これらの建築物は「モダニズム建築の巨匠」とされるフランス人建築家ル・コルビュジエ(1887-1965)が設計したものだ。フランスが主導し、日本・スイス・ベルギー・ドイツ・アルゼンチン・インドの計7カ国が共同で世界文化遺産として推薦した。特定の人物が手掛けた建築物をまとめて世界文化遺産に登録するのは初めてだ。
世界遺産委員会は「スイス出身の建築家であるル・コルビュジエはモダニズム建築の技術や概念を実践したことにより、世界中の建築や都市計画に大きな影響を与えた」と評した。7カ国は2009年、ル・コルビュジエの建築物を初めて世界遺産に推薦したが、失敗に終わり、11年にも再び推薦したが、登録に至らず、今回3回目の挑戦で登録が実現した。国立西洋美術館はコルビュジエが生前に完成させた唯一の美術館で、また日本では唯一のコルビュジエの作品だ。
韓国は今年、「韓国の書院」を世界文化遺産として推薦したが、予備審査で「登録延期(Defer)」の判定を受け推薦を取り下げた。また日本が独自に推薦した「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」も同様の判定を受け推薦を取り下げた。だが今回、国立西洋美術館が世界文化遺産に登録されたことで、日本にある世界遺産は計20件となった。