2016年7月21日(木)
バンダイナムコエンターテインメントがプロジェクトの企画・プロデュースを行い、ナムコが施設運営を行う“VR ZONE Project i Can”(東京・台場)。本施設に、TVアニメ『装甲騎兵ボトムズ』を題材とした『VR‐ATシミュレーター“装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎”』が登場しました。
本記事では、このVRアクティビティのプレイレポートをお届けします。基本的な操作方法も説明していますので、『ボトムズ』好きの方はもちろん、体験予定の方もぜひチェックしてください。
なお、本アクティビティを開発したキーマンたちへのインタビューも掲載中。「なぜ『ボトムズ』なのか?」といった誕生秘話から、操作のポイントまで存分に語っていただきましたので、あわせて読んでいただけますと幸いです。
TVアニメ『装甲騎兵ボトムズ』に登場する兵器“スコープドッグ”に乗って、他のプレイヤーと1対1の対戦を楽しめる本アクティビティ。
体験では格納庫のスコープドッグを起動させるところからスタートするのですが、起動した瞬間にコックピット内部のモニターや計器類が一斉に起動。テンションが高まります。
そして、スコープドッグが地上へと顔を出した瞬間から生死を賭けた1対1のリアルバトルがスタート。
ここで一旦操作方法の解説にうつりますが、本アクティビティの操作は2本のレバーと左右のフットペダルで行います。
▲コックピットの様子はこんな感じ。窮屈なはずなのに、それがなぜか心地いいんです。 |
左右のレバーを進行方向に傾けることで前後左右に移動可能。また右レバーを後ろに、左レバーを前に倒すことで右旋回、それと逆にレバーを倒すと左旋回といった形で、シンプルでありつつも自在に動かすことができました。
しかし、レバーによる移動では精密な動きはできるものの、スピードが遅いので敵の攻撃を回避できません。そこで重要となるのが左右のフットペダル。
右のペダルを踏み続けている間は移動がローラーダッシュ(高速移動)になります。原作ファンならご存知かと思いますが、足底のローラーを使って“キュイイイイィン”と疾走するアレです。つまり、アニメで見たあの音を聞きながら! あの動きをそのまま駆使して戦うことができるというわけなんです!
さらに左のペダルを踏むとターンピック(急制動)を行えます。これはローラーでクルッと機体の向きを反転させるアクションですね。こちらも原作ファンおなじみかと思いますが、クルクルと回転しながら水平360度にへヴィマシンガンを乱射していたあの動きです。
このターンピックですが、これを上手く使えるかどうかが勝敗のカギを握る、といっても過言ではないくらい重要なアクションになっています。相手に背後を取られた際の対処法として、またすれ違った瞬間に背後を取りミサイルをたたき込むなど、パイロットのアイデア次第でいくらでも戦況を変えられる行動になっていました。
ちなみに、開発を手がけた柿沢高弘さんによると、ローラーダッシュとターンピックを上手く使えば、劇中でキリコが披露した大半のアクションを再現できるのだそうです。
「そんな大げさな」と思われた方もいるかもしれませんが、実際に動かしてみるとなるほど、想像以上にキビキビと動かせるので「僕でもしっかりと練習すればできるのではないか」と本当に思いました。レッドソルジャー(RS)になるのはアナタかもしれませんよ!
さて、次に攻撃方法ですが、こちらは左右のレバーのトリガーを引いて行います。右トリガーを引くとへヴィマシンガン、左トリガーを引くとショルダーミサイルガンポッドで攻撃可能です。発砲時は顔の向きでレティクルをあわせて狙いをつけることになります。
▲左腕に装備したショルダーミサイルガンポッドを発射! 写真では見えづらいですが、画面中央に赤いレティクルが。 |
それぞれの武器ですが、へヴィマシンガンは120発、ショルダーミサイルガンポッドは9発までしか撃てません。撃ち尽くしたらその武器は終わり、リロードなどはありません。戦場は過酷なのです。
ただ、すべての弾を撃ちつくすとアームパンチを繰り出せるようになります。このアームパンチ、射程は非常に短いものの、当たれば一撃で相手を撃破できるほどに強力!
▲アームパンチはここまで接近しないと当たりません。しかし、原作のバトリング同様、一撃で相手を撃破できます。 |
ちなみに、武器を撃ちつくすと連射性能の高いヘビィマシンガン改がフィールドに出現し、それを使うこともできるようです。本アクティビティは1回の体験で2度の対戦が可能なのですが、それだけではすべての要素を楽しみ尽くせないかも?
コックピット内部も作りこまれていますので、「操縦なんて余裕さ」というRSの方はぜひいろいろ探してほしいと思います!
今回の体験では、“VR ZONE Project i Can”研究所のコヤ所長と対戦することができました。コヤ所長は、本作の制作に深く携わってきた人物。もちろん操縦技術もすさまじく「もしやRSの一員?」と恐怖してしまうほどの腕前なのです。
▲コヤ所長こと、バンダイナムコエンターテインメントの小山順一朗さん。 |
一方、筆者は完全なる新兵状態。「でももしかしたらバーコフ分隊のザキくらいの才能は持っているかもしれない……」。そのように自身を鼓舞して、いざ戦場へ!
まずはマニュアルと事前に受けたブリーフィング(説明)を思い出しつつ、ローラーダッシュで移動してみることに。このローラーダッシュですが、想像以上に速いし、かなり自由に動ける! そして何より“キュイイイイィン”という音が気持ちいい!!
レバーをナナメ前に倒すことで正面を向いたままジグザグに移動できるのですが、スピード感や「今ATに乗ってる!」という感じでテンションが上がっちゃって、目の前に敵がいなくてもそのように動きたくなってしまう!
そういった形でフィールドを移動していると、スコープドッグらしき姿を発見! さっそくへヴィマシンガンを撃ちこみますが……手応えがない? それもそのはず、攻撃したのはダミー。
フィールドにはスコープドッグを模したダミーがいたるところに設置されています。プレイヤーはそれに惑わされることなく、相手を見つけ出す必要があるわけです。
▲画面の左側がダミー。直立状態ですが、かなり精巧に作られているので、遠目からは本物か判別しにくいです。 |
ですので旋回しながらフィールドを回っていたのですが、コヤ所長のスコープドッグらしき姿がまったく見当たらない!「いったいどこに……」と思っていると、突如視界が揺れ、コックピット内部に火花が! どうやら後方からへヴィマシンガンによる銃撃を受けている様子。
▲基本的に、しばらく相手の姿が見えない時は後方につかれていると思ったほうがいいです(汗)。 |
「いつの間に?」と焦り、旋回やジグザグ移動を繰り返しますが、まったく振り切れません(汗)。姿が見えない相手から銃撃を受けるって、こんなにも焦るものなんですね。『ボトムズ』に限らず、「ロボットアニメの主人公に追い回される一般兵はこんな気持ちなのだな」と感じてしまいました。正直、本当に焦ります。
しかし、何とか一矢報いたい! ということでターンピックを使ってみることに。クルッと回った瞬間、コヤ所長のATの姿を確認! ですが、想像以上にターンスピードが速く、回りすぎるという自体に。思わず足も止めてしまって、棒立ちのところにミサイルを撃ち込まれ撃破されてしまいました。無念……。
ちなみに、対戦中はHPのような概念はなく、ダメージを受けるほどに視界右上の“PR液劣化状態インジゲーター”が赤くなっていき、ダメージを受けた際に撃破される確率が上昇していきます。
▲画面上部の黄色いものが“PR液劣化状態インジゲーター”。ちなみに中央の数字は残り時間で、アストラギウス文字で表示されます。 |
銃弾の当たり所がよければある程度は耐えてくれますが、燃料が漏れている箇所に銃撃を受けて引火すると、爆発してしまうといった具合です。
なお、ミサイルは被弾時に爆発を引き起こすので、直撃を受けると即座に撃墜されてしまうとのこと。ミサイルは弾速が遅く当てにくいものの、1発でも受けたらアウトなわけです。このあたりの緊張感もたまらないんですよ。
1戦目はコヤ所長に1発の銃弾も当てられずに敗れてしまったので、2戦目は「せめて1撃、しかしどうやって?」と、出撃前の短い時間で策を巡らせることに。そうして考えた作戦が、
【1】開始後はミサイルを食らわないように、すぐにローラーダッシュで左右どちらかに移動。
【2】その後は大きく左右に動き回りながらコヤ所長のスコープドッグを探す。少しでも撃たれていると感じたらターンピック。
【3】視界でコヤ所長を捉えたらとりあえず撃ちまくる!
の3点。開始直後の【1】はとりあえずクリア。【2】を実践しながらコヤ所長の姿を注意深く探しますが、ぜんっぜん見つけられない! と、そうこうしていたら後方から銃撃音が。すかさずターンピックすると……いた!
▲敵を発見! |
その後は視界から消えないように何とかくらいつき、残弾を気にせず撃ちまくりました。すると相手のスコープドッグから火が! 当たっている! と思っていると相手からも反撃が。
「やられる前にやるしかない!」と思い全弾発射しようとミサイルのトリガーを引くも、発射できない! 1発も撃ってないはずなのになぜ!? そうして戸惑っているうちに撃たれ負けて撃墜されてしまいました。目標は達成できましたが、どうして……?
▲むせる。 |
バトルを終えてから判明したのですが、どうやら最初の攻防で左腕を破壊されていたようです。「各パーツごとに破壊もできるのかよ!」と驚き、そして感心しました。ちなみに各パーツの破損は視界下部のモニターで確認できたとのこと。でもバトル中はそんな余裕ないんですよ……。これが一般兵の限界ということか……。
いやー、それにしても夢中になって楽しんでしまいました。対戦を終えてVRギアを外したら汗でびっしょり。狭いコックピットゆえ足もつってしまったのですが、対戦中は無我夢中で気づかないほど。これだけ“ロボットに乗った時の臨場感”を表現できたコンテンツは他にないと断言できます。
負けても「次はこう動いてみよう」と考えさせられたり、操作した際にちゃんと1つ1つのアクションを使いこなせるようになっているのも楽しいんですよ~。チャンスがあれば、ぜひ何度かプレイして、自分の兵士としての成長を実感してほしいです。
本アクティビティは『ボトムズ』の原作ファンならプレイしないと一生後悔するレベルだと思いますし、何よりロボットファンなら100%満足できる内容です。記事を書いている身としては“百聞は一見に如かず”と言うのはもどかしいですが、とにかく体験していただきたい!
本当にスゴいVRアクティビティですので、操縦を脳内でシミュレートして、リアルファイトの戦場に繰り出してほしいと思います!
▲ちなみにマニュアルは日本語とアストラギウス文字の2パターンが存在。「俺は最低野郎だ!」という方はぜひアストラギウス文字の方を! |
(C)サンライズ
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
[集計期間2016年 07月14日~07月20日]
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