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【矢板明夫のチャイナ監視台】柔和でスマートな外交官だった王毅外相はなぜ暴走するようになったのか?

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【矢板明夫のチャイナ監視台】
柔和でスマートな外交官だった王毅外相はなぜ暴走するようになったのか?

アジア相互協力信頼醸成会議(CICA)外相会合について記者会見する王毅外相=4月28日、北京(ロイター) アジア相互協力信頼醸成会議(CICA)外相会合について記者会見する王毅外相=4月28日、北京(ロイター)

 つまり、会話内容を記録されることを嫌った王毅氏は、会食の雰囲気を壊さないために、自分の部下を注意するという婉曲な形で気持ちを表したのだ。角が立たず、実にうまいやり方だった。「外交官はこのような形で自己主張をするのか」といたく感心したことはいまも忘れられない。

 王毅氏は、なぜ居丈高な態度で自己主張する強硬派となったのだろう。王毅氏を知る中国の元外交官はこのように説明した。

 いまの中国の最高指導者、習近平は国内向けに強いリーダーを演じようとしているから、外国とけんかするのが大好きだ。従来のやり方が通用しなくなり、王毅氏は最近、指導部からよく「弱腰だ」と怒られているという。

 王毅氏の一連の暴走は、外交官としての仕事よりも、習近平指導部に対し「ちゃんと言うべきことを言いましたよ」とアピールすることが目的のようだ。国際社会における中国のイメージは確実に下がっている。

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