トルコ首相 「失敗のクーデター 背景にギュレン教団」
トルコのユルドゥルム首相は記者会見し、クーデターの試みを阻止した国民や警察官などに感謝の意を示すとともに、イスラム組織、「ギュレン教団」が関わっていたとの見方を示しました。
ユルドゥルム首相は日本時間の午後6時半前に会見し「国民の意思として民主主義を貫き通すことを世界に示すことができた。反乱軍に対して勇敢に反対の声を上げた国民の一人一人に感謝したい」と述べ、クーデターの試みを阻止した国民や警察官などに感謝の意を示しました。
そのうえで「反乱軍のメンバーはすでに司法の手の元にあり、司法の裁きを受けることになる」と述べました。
さらに、クーデターの試みにはイスラム組織、「ギュレン教団」が関わっていたとの見方を示し、「指導者であるギュレン師は相応の罰を受けることになる」と述べて、クーデターの試みに関与した人物には断固とした対応を取る姿勢を示しました。
そのうえで「反乱軍のメンバーはすでに司法の手の元にあり、司法の裁きを受けることになる」と述べました。
さらに、クーデターの試みにはイスラム組織、「ギュレン教団」が関わっていたとの見方を示し、「指導者であるギュレン師は相応の罰を受けることになる」と述べて、クーデターの試みに関与した人物には断固とした対応を取る姿勢を示しました。
ギュレン師支持の団体が声明 関与を否定
今回のクーデター未遂に関して、エルドアン政権と対立するイスラム組織「ギュレン教団」が関係しているという見方が出ていることについて、指導者のギュレン師を支持するアメリカの団体がギュレン師のものとする声明を発表し、クーデターの企てへの関与を否定しました。
この中で、ギュレン師は「トルコのクーデターの企てを最も強いことばで非難する。政府は、軍事力によってではなく、自由で公正な選挙によって樹立されなければならない」とクーデターの企てを批判しました。そのうえで、「この50年の間、複数回にわたった軍のクーデターに苦しんできた者として、そうした企てに関与したとされることは著しい侮辱であり、私はそうした非難については断固として否定する」として、クーデターの企てへの関与を否定しました。
この中で、ギュレン師は「トルコのクーデターの企てを最も強いことばで非難する。政府は、軍事力によってではなく、自由で公正な選挙によって樹立されなければならない」とクーデターの企てを批判しました。そのうえで、「この50年の間、複数回にわたった軍のクーデターに苦しんできた者として、そうした企てに関与したとされることは著しい侮辱であり、私はそうした非難については断固として否定する」として、クーデターの企てへの関与を否定しました。
政府はギュレン教団をテロ組織に指定
「ギュレン教団」は、40年ほど前にトルコ西部のイズミールでその母体となるグループが設立され、学習塾や高校で質の高い英語教育などを提供することで、高度な教育を求めるさまざまな層に浸透してきました。支持者は、人口7800万人のトルコで650万人に上るという推計もあります。
「ギュレン教団」は、トルコの国是である世俗主義を認めながらもイスラム教の価値観を重んじるといった主張を展開し、トルコの政財界に大きな影響力を持ってきました。指導者のギュレン師は、病気の療養のため、アメリカ東部ペンシルベニア州に滞在しながらインターネットなどを通じてトルコ国内外の支持者に向けてメッセージを発信していて、支持者たちの活動は「ギュレン運動」と呼ばれてきました。
イスラム的な価値観を重んじる政策を推し進めてきたエルドアン大統領とは、長年、協力関係にあったものの、3年前、トルコで反政府デモが起きた際、ギュレン師がエルドアン氏の対応は強硬的だと批判したことで対立が表面化します。
その後、2013年12月、エルドアン政権を巻き込んだ汚職疑惑が発覚した際、エルドアン氏は汚職の捜査の背景にギュレン師がいるとして名指しで批判。警察の一部がギュレン教団の影響下にあるとして、捜査を担当した警察官らを大勢更迭するなど対決姿勢を強めてきました。
また、トルコの検察が、ギュレン師がテロ活動に関わった疑いがあるとして、おととし12月、逮捕状を取ったほか、ことしに入って、トルコ政府は「ギュレン教団」を正式にテロ組織に指定しました。
ことし3月には、トルコの裁判所がギュレン教団を支援している疑いがあるとしてトルコ最大の新聞社「ザマン」を政府の管理下に置く決定を出すなど、ギュレン教団側に対する締めつけを強化していました。
「ギュレン教団」は、トルコの国是である世俗主義を認めながらもイスラム教の価値観を重んじるといった主張を展開し、トルコの政財界に大きな影響力を持ってきました。指導者のギュレン師は、病気の療養のため、アメリカ東部ペンシルベニア州に滞在しながらインターネットなどを通じてトルコ国内外の支持者に向けてメッセージを発信していて、支持者たちの活動は「ギュレン運動」と呼ばれてきました。
イスラム的な価値観を重んじる政策を推し進めてきたエルドアン大統領とは、長年、協力関係にあったものの、3年前、トルコで反政府デモが起きた際、ギュレン師がエルドアン氏の対応は強硬的だと批判したことで対立が表面化します。
その後、2013年12月、エルドアン政権を巻き込んだ汚職疑惑が発覚した際、エルドアン氏は汚職の捜査の背景にギュレン師がいるとして名指しで批判。警察の一部がギュレン教団の影響下にあるとして、捜査を担当した警察官らを大勢更迭するなど対決姿勢を強めてきました。
また、トルコの検察が、ギュレン師がテロ活動に関わった疑いがあるとして、おととし12月、逮捕状を取ったほか、ことしに入って、トルコ政府は「ギュレン教団」を正式にテロ組織に指定しました。
ことし3月には、トルコの裁判所がギュレン教団を支援している疑いがあるとしてトルコ最大の新聞社「ザマン」を政府の管理下に置く決定を出すなど、ギュレン教団側に対する締めつけを強化していました。