こんにちは、arto総研のToshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回は印象派のカイユボットを紹介しようと思います。
ギュスターヴ・カイユボット
ギュスターヴ・カイユボット(1848-1894年)は印象派の画家です。画家であるのですが、同時に画家達の援助者でもありました。
1848年、事業を営む裕福な家庭にカイユボットは生まれます。家も高級住宅地にあり、不自由のない生活を送りました。22歳の時法律学校を卒業するのですが、画家を志し画塾に通います。その後エコール・デ・ボザール(国立美術学校)に入学しました。
エコール・デ・ボザールに入学したものの、当時のある意味不良的存在(あくまでもサロン側にとって)であったモネやルノワールたちと出会ったことで、ほとんど登校しなくなります。
26歳の時、父親が他界。その後、父の他界により莫大な遺産がカイユボットのものとなりました。その遺産を使い、印象派の画家たちの作品を購入したり、印象派展の資金援助などを行いました。
画家たちへの援助を行いながらも、自身も精力的に作品を制作し、印象派展に出品しています。
34歳の時の第7回印象派展への出品を最後に、購入した土地で園芸やヨットなどの趣味を楽しむようになります。45歳の時、園芸作業中に倒れ他界しました。
カイユボットが買い取った印象派の画家たちの作品は、その遺書によりルーブル美術館へ寄贈されたのですが、本人の作品は遺書に書かれていなかったため、ほとんどの作品が個人の所蔵になっています。本物が見れないのは残念ですね。
作品紹介
床削り
カイユボット初期の傑作。今でこそ評価されている作品ですが、サロンでは落選してしまいました。光を反射する床の表現が非常に素晴らしいです。また人物をよく見るとおしゃべりをしている様子です。また画面右にはボトルが配置されていますが、まったりと仕事をしているのかもしれませんね。
ヨーロッパ橋
パッと見、写真のような構図をしているのですが、写真を基に描かれています。ちなみにカイユボットの弟は写真家として活躍していました。またこの橋の下には、モネが描いたことで有名なサン・ラザール駅があります。
パリの通り、雨
こちらもカイユボットの代表作です。カイユボットというと今までの3枚がよく紹介されます。この頃のパリは、古い建物を壊して新しくしたり、道を舗装したりと非常に変化の激しい時でした。その変化の瞬間を切り取ったような本作はまさに印象派的だと言えます。
イエール川のカヌー遊び
カイユボットはカヌーやヨットといったものに興味を示していました。カヌーやヨットに関する作品を多く描いているのですが、本作は特に有名なものです。
バルコニーからの眺め
パリという大都会の中の孤独を描いています。先ほどの『イエール川のカヌー遊び』もそうなのですが、背中が描かれています。これは当時としては珍しい構図なのですが、こうすることで、鑑賞者にその場を覗いているかのような印象を与えます。また背中を描くのはジャポニズムの影響があるのではないか、と指摘する研究者もいます。
スライドショーもあるので良かったら見てみてください。
今回もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それでは、また。