「ポケモンGO」海外でトラブル相次ぐ 日本でも注意喚起

「ポケモンGO」海外でトラブル相次ぐ 日本でも注意喚起
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アメリカなどで大ヒットしているスマートフォン向けのゲームアプリ「ポケモンGO」は日本でもまもなく配信が始まるとされています。しかし、すでにゲームが配信されている海外では、スマホの画面に集中するあまり、交通事故にあったり池に落ちたりするトラブルが報告されています。このため、内閣サイバーセキュリティセンターは事故にあわないようLINEやツイッターで注意点を知らせる取り組みを始めました。
「ポケモンGO」とはスマートフォン向けのアプリで、任天堂の人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクターを使ったものです。
スマートフォンの位置情報とAR=拡張現実の技術を組み合わせているのが特徴で、スマートフォンを持って特定の場所に行き、アプリ上でその場所をカメラでかざすと、AR=拡張現実の技術によって現実の風景の中に「モンスター」の画像が現れます。
今回のポケモンGOの開発と配信には、任天堂のほか、任天堂が出資する「株式会社ポケモン」、アメリカのゲーム会社「ナイアンテック」が参加しています。
このうちアプリの制作と販売を行っている「ナイアンテック」は、もともと大手IT企業「グーグル」の中の社内ベンチャーとしてゲームの開発をしていましたが、去年8月に独立しました。
これまでにもスマートフォンの位置情報を利用し、実際の場所を移動しながら陣取り合戦のように遊ぶゲーム「イングレス」を発表し、世界的に人気を得ています。
今回は、この「イングレス」で培った技術に「ポケモン」という世界的にファンの多いキャラクターを組み合わせ、先に配信が始まったアメリカでは、社会現象となるほどのヒットとなっています。
「株式会社ポケモン」などは日本での配信開始は「未定」としていますが、「ポケモンGO」の公式ツイッターには、最新の情報を得ようという人たちのフォローが相次ぎ、フォロワーの数は世界全体で95万人余り(21日午後6時現在)となっています。

どんなアプリなのか

「ポケモンGO」とはスマートフォン向けのアプリで、任天堂の人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクターを使ったものです。
スマートフォンの位置情報とAR=拡張現実の技術を組み合わせているのが特徴で、スマートフォンを持って特定の場所に行き、アプリ上でその場所をカメラでかざすと、AR=拡張現実の技術によって現実の風景の中に「モンスター」の画像が現れます。
今回のポケモンGOの開発と配信には、任天堂のほか、任天堂が出資する「株式会社ポケモン」、アメリカのゲーム会社「ナイアンテック」が参加しています。
このうちアプリの制作と販売を行っている「ナイアンテック」は、もともと大手IT企業「グーグル」の中の社内ベンチャーとしてゲームの開発をしていましたが、去年8月に独立しました。
これまでにもスマートフォンの位置情報を利用し、実際の場所を移動しながら陣取り合戦のように遊ぶゲーム「イングレス」を発表し、世界的に人気を得ています。
今回は、この「イングレス」で培った技術に「ポケモン」という世界的にファンの多いキャラクターを組み合わせ、先に配信が始まったアメリカでは、社会現象となるほどのヒットとなっています。
「株式会社ポケモン」などは日本での配信開始は「未定」としていますが、「ポケモンGO」の公式ツイッターには、最新の情報を得ようという人たちのフォローが相次ぎ、フォロワーの数は世界全体で95万人余り(21日午後6時現在)となっています。

ゲームをアウトドアに

ゲームに詳しい電通デジタルプラットフォームセンター企画調査部の高木健介さんは「家の中で1人で行う、インドアな遊びだったゲームを『家の外に出て行かなければできない』とアウトドアな世界にいざなっている点が新しい」と話しています。
そのうえ高木さんは「位置情報を使った技術の発達で実際に歩いている場所がスマートフォンの画面に反映され実際の風景の中にポケモンが現れる仕組み。現実の世界と仮想の世界が一体となって目の前に現れることが、プレイヤーにはこれまでにない新鮮なゲームとして受け止められている」と分析しています。
さらに、いまだ国内では発表されていないにもかかわらず、国が注意喚起をするほど、注目が高まっている点については「先行して発表された海外では、ここ数日、『ポケモンGO』に関する話題が社会現象としてメディアをにぎわす一方で、国内でなかなか発表されないことが、国内の期待度をさらに高めているのではないか」と話しています。

米国 爆発的な人気の一方でトラブル相次ぐ

任天堂などが開発したゲームアプリ「ポケモンGO」の配信が今月初めに始まったアメリカでは、爆発的な人気を集める一方で、さまざまなトラブルも起きています。
中西部ミズーリ州では、このゲームの機能を使って、人けのない駐車場に集まってきたゲームのユーザーを脅して現金などを奪い取る事件が起きたほか、ゲームの画面に集中するあまり、周りに注意を払っていなかったユーザーが、スマートフォンを強引に奪い取られる事件が各地で相次いでいます。
また中西部オハイオ州では、ゲームのモンスターを見つけようとした10代の若者3人が、原子力発電所の敷地内の駐車場に無断で侵入したほか、別の男女2人が、動物園に不法に入り込んだとして逮捕されるトラブルが起きています。
こうしたなか、首都ワシントンの近郊にあるアーリントン国立墓地では「墓地は戦没者を悼む場所でありゲームをするのは適切ではない」として、ゲームのために敷地内を歩き回らないよう呼びかけています。
さらに全米各地の警察などが、歩行中や運転中にゲームをしないよう注意を促しているほか、私有地に無断で立ち入ったり夜間に人けのない場所へ行ったりせずに、節度を守ってゲームを楽しむよう呼びかける事態となっています。

アメリカのフォックス運輸長官は19日、サンフランシスコで行った自動運転に関する講演の中で、「アメリカ国内ではいかなる理由があろうとも、たとえ、『ポケモンGO』であっても運転中にアプリを使ってはならない」と述べ、注意を呼びかけました。

熱中のキャスターが画面を横切る

アメリカでは、テレビ番組の放送中に「ポケモンGO」に熱中していた女性キャスターがカメラの前を横切るハプニングがありました。
アメリカの地方のテレビ局のニュース番組では、男性の気象キャスターが地図の前で各地の気象情報を説明しているさなか、下を向いてスマートフォンを操作していた女性キャスターが画面を右から左に横切りました。気象キャスターの男性は一瞬驚いたあと大笑いを始め、「彼女はポケモンで遊んでいた。ポケモンが入っている携帯電話には十分注意しなければならない」とコメントしました。
また、画面を横切った女性キャスターも自身のフェイスブックで「ポケモンGO中毒かもしれないと気付いた瞬間です」と書き込み、熱中していたことを認めました。

中東では否定的な反応相次ぐ

「ポケモンGO」の人気の高まりを受けて、イスラム教が多数派を占める中東各国では、宗教界や政府機関からこのアプリの利用に否定的な反応が相次いでいます。
このうち、イスラム教の厳格な解釈に基づく統治が行われているサウジアラビアでは20日、政府管轄の宗教機関から、「ポケットモンスター」にはイスラム法で禁じられた要素が含まれているとする宗教令が出されました。
同様の宗教令は2001年にも出されていますが、欧米メディアは「ポケモンGO」の人気の高まりを受けて改めて出されたものだと伝えています。
またエジプトでも、イスラム教スンニ派が最高権威とする機関の「アズハル」が、最新の技術そのものは有益だとしながらも「夢中になりすぎて悪影響を気にしない者がいる」として、このアプリの利用を直ちにやめるべきだとする見解を示しました。
さらにクウェートでは、内務省が「ポケモンGO」を使って政府機関や軍事施設の撮影を行わないよう警告するとともに、モスクやショッピングモールなどでも利用しないように求めるなど波紋が広がっています。

日本でも注意喚起

「ポケモンGO」が日本で配信されるのを前に、内閣サイバーセキュリティセンターは、ゲームに集中するあまり事故にあわないようLINEやツイッターを通じて、ゲームアプリを使用する際の注意点を知らせる取り組みを始めました。
具体的には、▽歩きスマホや自転車に乗りながら遊ばないこと、▽危険な場所の近くで遊ばないこと、▽大雨警報など防災情報を受信できるアプリを入れて天気に気をつけること、▽気温が高い日は熱中症に気をつけることなどをあげています。
内閣サイバーセキュリティセンターは「注意点を守ってトラブルにあわないように楽しく遊んでほしい」と話しています。

女性や子どもは注意を

「ポケモンGO」はスマートフォンの位置情報発信機能を使うことが特徴です。スマートフォンを片手に、町なかで、ポケモンを捕まえられるだけでなくほかのプレーヤーと実際に出会って、ポケモンの交換や対戦をすることもできるゲームアプリです。
見ず知らずのプレーヤーどうしがゲームを通じて知り合えるというメリットの一方で、危険性も指摘されています。
ゲームに詳しい専門家は「ゲームの登録名が実際の名前だったり、女性や子どもを連想させるものだったりすると、個人を特定されたりゲームとは別の目的で悪意を持ったユーザーが近づいてくる可能性もある。まず、登録する際には、名前を工夫したり、年齢や性別、住んでいる地域が特定されにくいものにしたりすることが重要だ」と指摘しています。
また、「日本では、アニメのポケモンを見て育ったいわば第一世代が現在は大人になっていることから、子どもが見知らぬ大人とこのアプリをきっかけに接触する可能性もある。子どもがトラブルに巻き込まれないようにするために『親と一緒に遊ぶ』『親の目の届く範囲で遊ばせる』などルールを作ることも大切だ」と指摘しています。

ツイッターでも期待の声と注意呼びかけ

「ポケモンGO」に対してツイッターでは「会社のお昼はポケモンGOの話題で持ちきり。早くやりたい」といった期待する声や、キャラクターを探すためにスマートフォンを手にして外を歩き回ることから「ダイエットになりそう」という声も集まっています。
一方で海外では、このゲームに夢中になるあまり事故に遭うケースが相次いでいることから「節度を守って周りに気をつけながらできるといい」とか「車の運転には今まで以上に気をつけないと」といった、注意を呼びかける書き込みも相次いでいます。