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【大相撲】

高安、V戦線残った 宝富士との2敗対決制した

2016年7月21日 紙面から

宝富士を上手投げで下す高安(左)=愛知県体育館で(榎戸直紀撮影)

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◇名古屋場所<11日目>

(20日・愛知県体育館)

 小結高安(26)=田子ノ浦=は、宝富士との2敗同士の対戦を上手投げで制し、優勝戦線に残った。綱とりの大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は勢を寄り切って連敗を免れ、9勝2敗。横綱白鵬(31)=宮城野=が関脇魁聖を寄り切り、横綱日馬富士(32)=伊勢ケ浜=は逸ノ城を上手投げで退けて、ともに2敗をキープ。2敗の4人が首位タイで並んでいる。

 V争いに踏みとどまった。一方が脱落する2敗対決。「左四つにいこうと思った」。高安が狙いとは逆の右四つに組んで左上手も引く。宝富士を1回転させるように振り回し、上手投げで転がした。大事な一番をものにできて冷静に取り口を分析した。

 「しっかり当たって、おっつけてまわしを引こうと思った。流れで右四つになったけど、上手も引けたんで体勢を立て直していこうと思ったが、(宝富士が)巻き替えてきたので思い切り投げた。いい気持ちで、いい緊張感でやることができた」

 3度目の小結で迎えた今場所。綱とりに挑む部屋の兄弟子・稀勢の里との三番稽古の成果が出ている。「あれほどの圧力は角界にない。(稀勢の里は)すごく骨身に響くような圧力。気を抜いてしまうとけがをする。毎日、胸を借りたのが大きかったのかもしれない。そういう面でありがたい」。一瞬たりとも気の抜けない、ぶつかり合いが高安の集中力を高めているのは確か。“角界一”の圧力を受け止めている場数はだてじゃない。

 6月中旬に初めて行われた部屋の香川合宿初日の前夜に、歓迎会が開かれた。質問コーナーで司会から彼女はいるか? と振られた。高安は「今のところ僕のパートナーはまわしです」と機転の利いたコメントで会場の笑いを誘った。土俵では気迫たっぷり。見た目は毛深くてこわもて。でも、おちゃめな一面も高安の魅力だ。

 白鵬、日馬富士、稀勢の里とともにV争いのトップに加わっていても「毎日、必死に頑張るだけ。とりあえず、きょう勝ったから、次は明日ですね」と、どこまでも冷静沈着だ。上位戦は照ノ富士を残すのみ。稀勢の里の綱とりへの援護射撃どころか、高安が初の賜杯を抱くムードさえ漂ってきた。 (永井響太)

 

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