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 ムール貝が分泌する成分をもとに、金属製の人工関節などを体になじみやすくする新しい物質をつくり出したとする論文を、理化学研究所などの国際共同研究チームが独化学誌に発表した。

 理研の伊藤嘉浩チームリーダーや張晨(ジャンチェン)国際プログラム・アソシエイトらは、水の中でも岩場に接着できるムール貝に着目。遺伝子組み換え技術と酵素を使った新手法で、ムール貝が分泌するたんぱく質を細胞増殖を促すたんぱく質とつなげて、新しいたんぱく質を作り出した。このたんぱく質は、生体材料に使われることが多い金属のチタンに強く結合したうえ、マウスの皮膚や筋肉の細胞、人間の血管細胞などの増殖を促すことも確認されたという。

 伊藤さんは「この手法なら、骨を作るたんぱく質をつなげることもできる。チタン以外の金属などにも応用可能だ。体になじみやすい人工臓器開発につなげていきたい」と話す。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(竹石涼子)

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