トルコが３か月間の非常事態宣言へ

トルコのエルドアン大統領は、２０日、軍の一部によるクーデター未遂を受けて３か月間非常事態宣言を出す方針を明らかにしました。非常事態宣言のもと、市民の基本的な権利は必要に応じて制限されることになり、強権的な手法がさらに強まるのではないかと国の内外で懸念や批判が高まりそうです。
トルコのエルドアン大統領は、２０日、国家安全保障会議と閣議でクーデター未遂後の対応を協議したあと会見し、状況を総合的に分析した結果、危機を脱するためだとして、非常事態宣言を出す方針を明らかにしました。
そのうえで「軍から『ウイルス』を一掃する」と述べました。
トルコの憲法では、非常事態宣言は、議会での承認が必要ですが与党が多数の議会が承認するのは確実とみられ、必要に応じて市民の基本的な権利や自由を部分的もしくは完全に制限できることになります。
非常事態宣言の期間は３か月だということです。
トルコ政府は、クーデター未遂について政権と対立するイスラム組織「ギュレン教団」が企てたと非難し、軍の高官を含む少なくとも８６００人を拘束して調べているほか、警察官や政府の職員、それに教師など５万人以上の職務を停止したり解任したりしています。
欧米諸国はクーデターの計画を非難しつつもトルコ政府に強権的な手法を自制するよう求めてきただけに、非常事態宣言が出されることで国の内外から懸念や批判が一段と高まりそうです。