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必携パソコンの取り組みを長崎大学が披露――New Education Expo 大阪
教育関連の総合イベント「New Education Expo 2016 in 大阪」が2016年6月17日、18日の両日、大阪市内で開催された。会場のセミナーや公開授業、企業展示には、約5000人の教育関係者が訪れた。
初日の6月17日には、「大学の情報リテラシー教育の在り方」をテーマとしたセミナーが開催された。京都大学 国際高等教育院の喜多一教授、長崎大学 ICT基盤センターの古賀掲維准教授、金沢星稜大学女子短期大学部の辰島裕美准教授が情報リテラシー教育の取り組みについて講演。日経BP社 教育とICT Online編集長の中野淳がモデレーターを務めた(関連記事:大学の情報リテラシー教育、その最前線を探る)。
高等教育機関では、学生が1人1台のパソコンを所有して学習や研究に活用する「パソコン必携化」の動きが広がりつつある。古賀准教授は、長崎大学が2014年度から実施しているパソコン必携化の取り組みを披露した。
必携パソコンとデジタル教材を利用した反転授業も実施
長崎大学では、教材提供やコミュニケーションなどの機能を備える教育支援システム「主体的学習促進支援システムLACS」の運用を2013年度に開始。これを利用する基盤として、パソコンの必携化を決定したという。同大学では、最低限満たすべきパソコンの仕様を定めて、入学希望者に案内している。さらに、大学生協が、仕様を満たす推奨機種を販売。経済的な理由でパソコンを購入できない学生には、大学からパソコンを貸与している。
1人1台パソコンの利用環境の整備も進めているという。学内でのパソコン利用に備えて、3カ所のキャンパスに約500台の無線LANのアクセスポイントを設置。講義用のネットワークと汎用のネットワークを分離して用意し、講義用のネットワークではWindows Updateなどを遮断している。これによって、授業中に学生のパソコンでWindows Updateが始まり、授業に支障が生じることを防いでいる。また、包括ライセンスを契約し、学生がWordやExcelなどのOfficeソフトを無償で利用できるようにしている。
古賀准教授は、必携パソコンを利用した反転授業の取り組みにも言及した。反転授業とは、デジタル教材などを利用して事前に学習してから、教室での学習に臨む授業形態のこと。古賀准教授は、反転授業のメリットとして、「授業中に行っていた学習を授業前に行うことで、知識の定着や応用力を重視した授業を設計できる」「授業中の活動をより活発にでき、アクティブラーニングの促進も期待できる」の2点を挙げた。
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