先の参院選では民進党、社民党、生活の党、国民怒りの声が一時、比例代表(改選数48)で統一名簿を検討した。毎日新聞が4党・団体の得票数を基に試算したところ、統一名簿による獲得議席は13で、実際の選挙結果(民進党11、社民党1、生活の党1の計13議席)と変わらなかった。統一名簿は死票が減るとされるが、相乗効果で得票が伸びなければ、大幅な議席増は難しいと言えそうだ。
4党・団体の比例代表の得票を合計し、ドント方式で議席を算出した。獲得議席は13のままだったが、次点の49位がおおさか維新の会から統一名簿の団体に変わり、あと数百票の上積みがあれば、48議席目に滑り込んでいた。
4党・団体の候補者の個人名票を得票順に並べると、13議席目は民進党の白真勲氏。15万3197票を得ながら落選した社民党の吉田忠智党首は、統一名簿なら11番目で当選していた。逆に、10万9050票で当選した生活の党の青木愛氏は当選圏外の16位に下がる。
統一名簿を提唱した民進党議員は「『1人区』(改選数1)だけでなく比例代表でも野党が協力していれば、与野党対決構図で相乗効果があったはずだ」と語る。社民党幹部も「1プラス1が2プラスアルファになるのを狙った。反安倍政権を明確にすれば投票する人が増えただろう」と振り返った。
しかし、統一名簿の効果には懐疑的な見方もある。民進党の枝野幸男幹事長は19日の記者会見で「『民進党』と書いた人に、違う名称だったら入れてもらえたかどうか分からない」と述べた。
4党・団体の統一名簿構想は名称を巡る調整がつかず、実現しなかった。【朝日弘行、影山哲也】
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