滋賀の丹生ダム、国交省が事業中止を正式決定
滋賀県長浜市の高時川上流で計画されていた丹生ダムについて、国土交通省は20日、ダム事業を見直す検証の結果、中止と決定した。1968年の予備調査開始から48年を経て計画に終止符が打たれた。国や水資源機構のダム事業で、予定地の住居が移転後に中止となるのは初めて。
丹生ダムは姉川・高時川の治水や利水を目的に近畿地方整備局と同機構が事業を進めていた。だが2014年1月、国によるダム検証の結果、他の治水対策との比較で「有利ではない」との評価が示された。
県は中止を受けて湖北圏域の河川整備計画を近く国に申請する。河川改修のため高時川の掘削など進める内容で、来年度から事業に着手する方針。水没予定地での道路整備など地域振興策は関係機関が地元と具体策を協議していく。県流域政策局は「計画に基づき河川改修を進め、地域振興策は地元とよく話し合って進める」としている。
長浜市の藤井勇治市長は「中止は非常にやるせなく、無念。心労をかけた地元の思いに報いるよう、国は万全の対応をとるよう強く求める」とコメントし、中止後の対策に国の協力を要請した。
丹生ダムは1988年に着工した。水没予定地の40戸が集団移転後、下流の京都府や大阪府などが水利用の枠組みから撤退していた。これまでに用地買収や道路工事などに約570億円が費やされた。
【 2016年07月20日 23時06分 】