起業という言葉からどんな連想をするだろうか?
このサイトでは個人が低リスクでスモールビジネスを起業するということを中心に書いているので、金融機関からお金を借りる、投資家から資金調達してビジネスを立ち上げるといったようなやり方は他に譲る。
ここでは、会社員、学生、主婦といった方々ができるだけお金をかけずにリスクを抑えて起業するには?ということに絞ろうと思う。
起業するだけであれば、何も難しいことはなく非常に簡単なのだが、そうはいってもやったことのないことはよく分からないだろうと思うので、簡単にまとめてみる。
ということで、
- 起業するには何が必要?
- 起業するにはどんな手続きが必要?
- どのくらいの資金が必要?
- 極力失敗せずにうまく起業するためにはどうするか?
といったことを中心にまとめてみた。
この記事の目次
起業するには何が必要?
とても簡単で、最低限、売る物があればそれでいい。ビジネスとしてやるなら利益は絶対なので、お金を払ってもらえる品物(有形・無形問わず)が必要。
といってもあくまで最低限の話。行商や仮説でも何でもいいので売る場所があれば、それでOKだろう。あるいは、整体やネイルなどであれば施術する場所さえあればいい。
さすがに商品だけでは十分に売るとは難しい。そこで、ちゃんとビジネスとして成り立たせるには(ここでは売上が立って利益が出るという意味)次の4つについて考え行動するといい。
- ビジネス設計
- 商品・サービス
- 営業
- 集客
簡単にそれぞれ書いておくと以下のようになる。
ビジネス設計
ビジネス設計と書くと難しく考えてしまう人もいるかもしれないが、要はビジネスアイデアを含め、どんなビジネスをやるか?という話。
このとき最大のポイントは想定するお客さんを決めることだ。お金を払ってくれるのは人なので、その“人”が一体、どんな人かを想定することが大切になる。誰にでも売ろうとすると誰にも売れないと思ったほうがいい。
ペルソナを決めるなんて言い方をすることもあるが、どんな人がお客さんになるのか?が決まれば、どんな商品をどう売るかも決まってくるので、とても大切な要素。
商品・サービス
対価としてお金をいただく上で必要な商品やサービスを決める。有形、無形問わずなんでもいいので、想定しているお客さんに価値を与えられるものを提供する。
どんな形態が考えられるから世の中にすでにあるビジネスを見てみたら分かる。例えば、普段、何も気にせず見ている広告も、ビジネスの視点を持って見ると「こんなサービスを提供しているんだ」ということが分かるので、なかなか面白い。
営業
商品やサービスを用意しただけで売れていくのなら誰も苦労はしないので、売るための努力として営業が必要になる。営業と言っても、いわゆる営業職と呼ばれる営業とは限らない。
要はお客さんに商品やサービスをきっちりと伝えることが営業なので、ネットであれば商品やサービスの紹介ページ(ホームページ)だし、チラシも営業の一部。もちろん、対面で売ったっていい。
集客
商品やサービスを用意して営業トークを磨いたり、広告やチラシ、ホームページをつくったとしても、そこに人がいなければ売れることはない。なので、お客さんを集めるための施策が必要になる。それが集客だ。
やるのは、広告を出稿したり、書いたチラシを配布したり、ブログやYouTubeなどSNSを使うなどして、人を集めることだ。
起業するにはどんな手続きが必要?
起業する上で必要になる手続きはどんなものがあるのだろうか?
これは何をビジネスとして起業するかによって変わってくるが、特に何もないケースも多い。例えば、ギターが好きで演奏もできるという人がギター教室をやろうと思ったら、今すぐにでも開業できる。特に手続きは必要ない。カウンセラーやコーチ、語学を教えるなどもたいていの場合、同じだ(医療行為などは素人が勝手にやってはダメだし、税理士の資格がないのに税のアドバイスをするなどもダメなので、ケースバイケース)。
何をやるか決まったら調べてみたらいい。
会社を作る必要はある?
個人が利益が出るか分からない中、起業するのであれば、いきなり会社を設立する必要はないので、まずは個人事業主として始めるのがいい。
会社を設立するには、それ相応のお金がかかるもの。会社設立で調べれば、代行業もヒットするし、自分で手続きする方法もヒットする。ただ、収入印紙代だけで数万円かかるし、他の費用もかかる。株式会社なら20万円くらいはかかるし、合同会社なら最低でも6万円は必要。
しかも、社会保険だったり、赤字でも7万円は法人住民税を支払う必要があったり、自分で決算をするのは相当骨が折れるので、税理士や会計士にお願いするとなると、その分のお金もかかる。要はランニングコストが個人より大きくかかるので、継続的な利益が見込めない限り、コストを考えると簡単に法人にしないほうがいい。
なお、法人化の目安は所得が600万円とか700万円とかいろいろ意見があるようなので、儲かったら税理士に相談するといい。ただ、商売として税理士をやっている人は法人化の際の手数料やその後の顧問料が目当てなのは当たり前なので、そうした側面の考慮は必要かなと思える。
ちなみに儲かってもないのに、税金がどうこうとか考えるのは取らぬ狸の皮算用なので、その時間と労力は利益を上げるためにどうするか?ということに使った方が賢明だ。たいていの場合、儲かったときに心配は、儲かったときに考えれば間に合う。
法人化や開業届は必須ではないが、確定申告は必須
会社員だと会社が年末調整という形で勝手に確定申告を代わりにやってくれるので、なにもしなくていいが、個人事業主は自分でやる必要がある。
ただ、年間(個人の場合、1月から12月であり事業を始めた月からではない)で20万円以内の利益なら確定申告はしなくても構わない(雑所得控除というのがあるので)。なので、赤字の場合も確定申告は不要だが、赤字で確定申告しておくと、その分、所得が減るので納める税金が安くなるケースはある。
分からなければ、税務署で相談会をやったりするので
年間で20万円を超えない限り、課税されないので確定申告は不要だが
ただ、儲かった場合には確定申告は必須となる。
個人事業主の開業届は必要不可欠ではないが、出しておいたほうがいい
確定申告さえやっていれば、開業届は特に出さなくても問題はないが、確定申告の方式をどうするか?によっては開業届が必要になる。
そもそも確定申告には大きく白色申告と青色申告の2種があってそれぞれ以下のメリットとデメリットがある。
白色申告
帳簿の付け方が青色申告より楽(単式簿記)だが、その反面、所得控除額が10万円と青色申告より少ない。
青色申告
帳簿の付け方が白色申告より大変(複式簿記)だが、その反面、所得控除額が65万円と白色申告より多い。
なので、仮に所得税の税率が10%だとしたら、払う税金が1万円引かれるか、6.5万円引かれるかの差が出るということ。
なお、私は青色申告でやろうと思ったものの、面倒になって白色で申告というのをずっとやっていた……。今は法人化してしまったので、もうやっていないが(というか会計事務所にアウトソース)、複式簿記は無理だった(笑)
会計ソフトもいろいろあるので、ちゃんと前もってやっておけば青色でもできるとは思うのだが。
で、この65万円の所得控除が受けられる青色申告をする場合には開業届を出している必要があり、青色申告で確定申告するには事前に手続きが必要で、開業から2ヶ月以内が期限となっている。
なので、お勧めは開業届を出すと同時に青色申告の申請もするやり方。たとえ、青色申告にすると届け出を出していたとしても、白色申告で確定申告は可能なので、出さない理由がない。書類の書き方は、税務署でも教えてくれるし、ネットで検索したらいくらでも出てくるはずだ。
どのくらいの資金が必要?
起業するにあたってどれくらいの資金が必要になるだろうか?
何をやるかによってだいぶ変わってくるので、一概に言えないが、私はドメイン代とサーバー代だけで始めた。なので、数千円から起業するかとは可能(パソコンはすでに使っているのがあったので、パソコン代は含めていない)だし、無料でもできるとは思う。
ヨガを教えるとかギターを教えるとか、アフィリエイトをするなどといった場合には、ドメイン代とサーバー代くらいで始めることは可能だろう。何かを教える場合には場所が必要になるが、自宅や会社やお客さん宅に出張なら場所代はかからないし、オンラインで教えれば場所代はない。撮影にあたっては誰かからビデオカメラを借りてもいいし、今のスマホなら画質も問題ないかと思える。
ただ、広告を出稿したりチラシをまいたりするなら、その分の宣伝広告費はかかる。お金をかけず集客することも可能ではあるが、ずっとブログをやっていてある程度PVがあるとかなら別だが、ゼロからやるならそれ相応の時間はかかる。無料でいきなりお客さんを呼ぼうと思ってもそう簡単にできるものではない。そんなことが簡単にできたら広告でほとんどの収益を上げているGoogleはつぶれているだろう。
より詳しくは、こちらに低資本でできるスモールビジネスでどれくらいお金がかかるかまとめているので、参考にどうぞ。
起業するにはどれくらいの資金がいる?
とはいえ、ビジネスをアイデア次第でいくらでもやりようがあるので、工夫次第ではできなくはないが。
極力失敗せずにうまく起業するためにはどうするか?
どうせ起業するなら誰だって失敗はしたくないし、成功を目指すもの。では、どうしたら失敗を極力避けることができるのだろうか?そもそもそんなことができるんだろうか?
失敗をできるだけ避ける方法
必ずうまくいくという魔法みたいな方法は存在しないけれども、失敗を極力避ける方法はある。それはとてもシンプルで、必要とされているニーズのある商品やサービスを手がけることだ。
自分のやりたいことだけを考えてビジネスをやっても、それがお客さんに受け入れられるかどうかは分からない。独りよがりのビジネスになってしまったら、売れないのは当然の結果ということになる。相手のことを考えないようなビジネスは、そもそもビジネスとは言えず、ただの趣味。
なので、うまくいくビジネスを立ち上げたかったらニーズをリサーチする必要がある。ニーズと書いたけれども、要するにお金を払ってまで欲しいと思えるかどうかというのがポイント。
そのためには、いろんな商品を見てみたり、人に直接聞いてみたりすると見えてくる。
起業を成功させるための4つのポイント
また、収益性の面を考えると次の4点を考慮するといい。これは、2010年に発売された「堀江貴文ビジネスマスターシークレット」というDVDの中で堀江貴文さんが話している内容だ。
- 利益率が高い
- 小資本で始められる
- 在庫を持たない
- 定期的に売上が立つ
ちなみに全部該当しないとダメだと言うことではなく、この4つを押さえた方がいいよという話。ただ、個人がビジネスを始めるなら、利益率に関しては、確実に押さえておいたほうがいいように思える。多くの場合、薄利多売はキツイので。
起業の成功確率はどれくらい?
会社設立から3年で半分がなくなるとか80%がなくなるとか言われる(数字は合っていないかもしれないが)。少し調べてみると中小企業庁のデータをもとにしているように思えるが、そのデータがなんなのかがよく分からないのが正直なところ。
ちなみに、GoogleのVC(ベンチャーキャピタル)のGoogle Venturesにのデータによると、こんな数字が出ている。この数字は、VCから出資を受けた企業に対しての数字なので、スモールビジネスはあまり当てはまらないだろうとは思うが。
1500人近い起業家・起業家予備群の人たち、そして店舗経営者などもたくせん見てきたが、需要のあるビジネスならちゃんとやるべきことをやっていたら、ちゃんと利益を出すためのポイントを押さえればたいていの人がうまくいくように思える。
会社勤めしたときには誰もが仕事なんてできないのが普通だが、先輩に教えられてだんだん普通にできるようになっていくのと同じようなものかなと思える。
まとめ
ということで起業するには?という内容で簡単にまとめてみた。何をするかによるが、ほとんど手続きなしで始められるビジネスもたくさんあるし、お金をほとんどかけずに起業することも可能。
何も考えずに突っ走るのはどうかと思うが、考え過ぎずに前に進みたいもの。たいして失うものがなければ、どんどんチャレンジするのがいいかなと思える。失敗したら時間は失うかもしれないが、その分、経験知という貴重な知識、体験が得られる。
リスクを抑えて自分の好きをビジネスにするために必要な
はじめの一歩の基礎知識とアイデアを
無料メルマガでいち早く配信しています