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名張事件で虚偽示す新証拠提出

07月20日 19時08分

名張事件で虚偽示す新証拠提出

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55年前に起きた「名張毒ぶどう酒事件」で、去年病死した死刑囚の遺族が求めている再審・裁判のやり直しをめぐり、弁護団は元死刑囚の自白が虚偽だったことを示す専門家の鑑定書を新たな証拠として名古屋高等裁判所に提出しました。
昭和36年、三重県名張市でぶどう酒に農薬が入れられて女性5人が殺害された「名張毒ぶどう酒事件」で死刑が確定した奥西勝元死刑囚は、再審が認められないまま去年10月に病死しました。
その後、妹の岡美代子さん(86)が10度目となる再審を申し立て、弁護団は、20日、心理学の専門家の鑑定書を新たな証拠として、名古屋高等裁判所に提出しました。
弁護団によりますと、奥西元死刑囚は捜査段階で、「暗闇の中で竹筒に農薬を入れ、新聞紙で栓をして運搬した。そして、ぶどう酒の瓶のふたを火ばさみで開けて農薬を入れた」と自白しましたが、弁護団が専門家に依頼して男性30人にこの一連の作業を行ってもらった結果、自白通りに再現できた人はいなかったということです。
このため弁護団は元死刑囚の自白が虚偽の供述であり、信用性に大きな疑問があると主張しています。
弁護団長の鈴木泉弁護士は名古屋市で会見し、「自白調書に書かれた行為は不可能だということが分かった。裁判所は奥西さんの犯行と認めた判決に大きな疑問が提起されていると判断すべきだ」と訴えました。

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