連続テレビ小説 とと姉ちゃん(93)「“あなたの暮し”誕生す」 2016.07.20


(常子)失礼致します。
(梢)何だい?話って。
あ…あの…私…。
あれ?あんた昨日店の前で…。
えっ?店の前でボサ〜ッと。
あ…確かにそうです…。
えっえっ?私だよ。
分かんないのかい?この赤い着物着てた。
あっ!
(梢)しげさんの事奥さんからとっちゃおうかな〜。
ハハハそれじゃあな。
(梢)またお待ちしてま〜す。
あの時の!すみません気付きませんで。
失礼な女だね。
化粧なしじゃ別人だってのかい!梢ねえさんのは化粧じゃなくて変装ですから。
(梢)うるさいよ!
(笑い声)・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
(綾)こちらがお話しした雑誌を作っている小橋常子さんと妹の鞠子さん美子さんです。
よろしくお願いします。
(2人)よろしくお願いします。
雅の同級生なんだって?あんたらもいいとこの子か。
いえ私たちは普通の…。
(お蝶)雑誌作ってるなんて余裕がなきゃできないだろうさ。
余裕はありませんが女の人の役に立つ雑誌を作ろうと奮闘している次第です。
(艶子)女性の役に立つなんていいじゃないか!
(美子)あっ。
先日作った雑誌です。
ご一読頂けますか?へえ〜。
洋服の作り方が載ってるのかい。
はいそうなんです。
毎日もんぺじゃ嫌になっちまうからねえ。
洋服なんか着ておしゃれしてみたいよ。
私たちもそう思いましてこういう雑誌を。
(さくら)雑誌なんか買う余裕ないの。
私みたいな戦争未亡人にゃ夢のまた夢です。
ご主人はじゃあ…。
戦争未亡人なんてごまんといるよ。
うちじゃあ私とさくらと艶子。
雅もだったね。
はい。
(弓子)私ら売れ残りも苦しいですわね。
(お蝶)ああ。
嫁ぐつもりで花嫁修業ばかりしてたのに肝心な時に結婚する男はみんな兵隊にとられて気付いたらこの年で嫁のもらい手もないし手に職もなし。
(さくら)婦人雑誌作りたいなら男に聞いた方がいいんじゃないかしら。
えっ?婦人雑誌なんて名ばかりで男が男に都合よく作ったものだもの。
(鞠子)そうでしょうか…。
「殿方の喜ぶ献立」とか「殿方に好まれるおもてなし」とか男から見た女の記事だよね。
私たちの雑誌はそうではありません。
女の人の役に立つように…。
同じだよこれも。
確かにこんな洋服着てみたいとは思ったけど私らには手の届かないもんだ。
そんな事ありません。
雑誌では自分の手で洋服が…。
一体何で作れっていうの?家にある布地なんてとっくに米に換わってます。
(お蝶)手に入る布地なんてスフくらいさ。
(さくら)あんな貧相な化学繊維で作ったってゴワゴワして着づらいし洗ったら使いもんになりゃしません。
軍隊の放出品の布地なんて手を出せる額じゃないですしね。
だから店でも洋服なんか諦めて…。
よいしょ。
着物着るしかないのさ。
(お蝶)ちょっと艶子。
そろそろ臭ってきたね。
皆も臭いじゃないか!
(弓子)確かに。
私も皆さんも毎日同じ着物を着るしかないの。
それしかないから。
これで分かったろ?服が欲しい気持ちは切実だけど手に入るかどうかは別問題。
女の人の役に立つ雑誌って言ったって私らには実際役に立ってないんだよ。
でも布地ならカーテンか何かの布地で代用…。
分かんない子だね。
布地だけの問題じゃないんだよ。
服を作る技術すら私らにはないんです。
(弓子)私も家さえ焼け残ってたら洋裁学校に行けたのに。
洋裁学校ですか?私も家さえ焼けなきゃ通う金ぐらい工面できたのにな。
へえ〜新しい雑誌をねえ。
(花山)雑誌の名前も出版社の名前もいまだ決まっていないのですが。
何だかうさんくさいけど会社を銀座に構えておいでのようなので信用致しましょう。
恐れ入ります。
こちらにとっても悪い話ではないですからね。
我が校を雑誌で紹介して下さるなんて。
お約束はできません。
あくまでも面白ければ載せるという事で。
どういう事?取材を受けても掲載されないの?その可能性はあります。
じゃあさっさと済ませて下さる?では現在いくつかの洋裁学校が再開されていますがこちらの学校の特色を挙げるなら何でしょうか?そうねえ…。
「我が校では高級仕立ての洋服作りに対応できる技術を教えています。
海外からの服飾事情もいち早く取り入れておりますので是非ご入学下さい」。
これで書いてちょうだい。
なるほど。
どうりで授業料も高い訳だ。
高級な生地を使った方が仕上がりもよく生徒の反応もいいんです。
それでは通えない人もたくさんいるのでは?慈善事業ではありませんから。
「慈善事業ではない」と。
ちょっと…余計な事は書かないで下さい。
質問は我が校の特色でしょ?失礼。

(先生)洋服は和服と違って着る人の体に合わせて作らなければなりません。
本縫いをする前に仮縫いをして着てみる事が大切です。
型紙の切り替え線にはダーツが入っています。
ダーツを入れる事によってこのように体に沿って…。
(節子)我が校ではフランスの高級ファッションを参考に立体裁断や我が校独自の型紙と仮縫いで一人一人の体型に合った技術を教えています。
ちょっと聞いてらっしゃる?お静かに願います。

(先生)出来上がりの形に注意して下さい。
体型は人それぞれ違います。
体に合わないところはその人に合わせ…。
皆さんがおっしゃるにはとにかく余裕などないと。
作り方が書いてあってもそもそも洋裁の技術がないし布地も手に入りづらいとも言っていました。
布地をそれほど使わず難しい技術もなく作れる洋服ってないものなんですかね…。
私も同じ事を考えていた。
洋服を作るためにはどうしても布地を無駄にしてしまう。
でも洋服は曲線が多く複雑なので型紙どおり裁断するとはぎれは出てしまうものですよ。
じゃあどうすれば…。

(君子)頑張ってるわね。
はい。
作りがいのある雑誌というのもありますしそれに…。
それに?花山さんに認めてもらいたいんです。
口は悪いけどやっぱりすごいと思うんです。
今はただあの人に認めてもらえるよう頑張ってます。
…そう。
恋心やそういう気持ちではありませんよ。
どちらかというとととに褒めてもらいたいのに近いのかな…。
とと?はい。
私とととの思い出ほとんどないからだから代わりに褒めてもらいたいのかもしれません。
そう。
はい。
フフフ…。
どうしたもんじゃろのぉ…。
ねえとと姉。
うん?あっ新しいアイデア浮かんだ?あっごめん違うの。
水田さんの事なんだけど。
うん。
経理で迎えられないかな?えっ?水田さん一緒に雑誌作りたいって言ってくれたの。
お給金安くてもいいからって。
あ…。
申し訳ないけど今うちも余裕がなくて…。
そうよね…。
ん…?鞠ちゃんもしかして水田さんの事…。
あっ全然全然!そうじゃないの!いい方なのは分かるからもし力になれるならと思っただけ。
それに…。
細かい事は分かりませんがとてもいいなと思えたんです。
今世の中に必要な雑誌だと。
それがうれしくてね。
こういう方と一緒に作るべきだと思って。
うん。
けど今は雑誌を売って経営を安定させる事の方が先よね。
ん〜…。
簡単に作れる洋服か…。
(三枝子)・「赤いリンゴに口びるよせて」・「だまってみている青い空」はいできました。
(茜)お父さん見て。
お〜。
(三枝子)かわいくなりました。
今一番知りたい事は何ですか?子どものおむつの布もないのにそんな事言ってらんないわ。
おねえさん1杯。
はいよ。
ねえちゃんこっち1杯!どんな服が人気ですかね?アメリカ軍の将校夫人の服が人気だね。

(戸をたたく音)はいはいはいはい。
どちら様ですか?・花山です。
あっ花山さん。
今お開けします。
朝早くにすみません。
いえ。
皆さんは?今から朝食を。
そうですか。
それでは失礼します。
花山さんどうなさったんですか?おはようございます!
(一同)おはようございます。
分かったんだ。
えっ?簡単に作れる洋服ですか?ああ!
(三姉妹)え〜!しかも一着に使う布地は…。
これだけだ。
(君子)着物1枚分の半分もないですね。
お母さん。
裁ち台をお借りできますか?はい。
和服を作るんですか?寝ぼけた事を言うな!これがすぐさま洋服になる!2016/07/20(水) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(93)「“あなたの暮し”誕生す」[解][字][デ]

カフェで働く梢(佐藤仁美)たちから、常子(高畑充希)はヒントをもらう。試行錯誤の末、特別な技術や知識が無くても洋服を作れる方法を花山(唐沢寿明)が思いついて…。

詳細情報
番組内容
カフェで働く梢(佐藤仁美)たちから、常子(高畑充希)は思いがけないヒントをもらう。布がないのはもちろんだが、洋裁学校で特別な技術を学ばなければ作ることもできないというのだ。一方、洋裁学校を取材していた花山(唐沢寿明)も高価なミシンや布地でしか教えていない現状を知る。特別な技術や知識が無くても洋服が作れればと試行錯誤する常子たち。そんな折、花山が娘の散髪で使っていた新聞紙から洋服作りの発想を得る。
出演者
【出演】高畑充希,木村多江,相楽樹,杉咲花,奥貫薫,佐藤仁美,阿部純子,ふせえり,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:13955(0x3683)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: