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【ゴルフ】

片山晋呉、五輪出場を正式表明 「天国の父が行け」と

2016年7月13日 紙面から

ネスレマッチプレー選手権出場の記者会見に出席した(左から)近藤、片山、武藤。右端はPGAの倉本会長=東京都内で(松岡祐司撮影)

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 男子ゴルフの片山晋呉(43)=イーグルポイントGC=が12日、リオデジャネイロ五輪に出場する意向を正式に表明した。極度の不振などを理由に出場の可否を保留していたが、熟考の末に決断した。片山は「これ以上の日本代表はない。メダルを取り、日本男児として名前を残したい」と意欲的に語った。

 晴れ晴れとしていた。迷い、悩み抜いた末、片山が導き出した結論は「GO」だった。

 「日の丸を背負うことに重みを感じ、五輪に行ってみたいと思った。ここまで来たら、メダルを取りたいという思いが強い」

 行くべきか、行かざるべきか…。永久シード選手の胸中はずっと揺れていた。今季10戦で、トップ10はわずか1度。先週の日本プロ日清カップでは予選落ちした。「これだけ調子が悪いと…」。不調のまま、五輪に出場していいのか。加えて、ジカ熱、治安など頭をもたげる懸念材料と向き合い、何度も自問自答を繰り返したが、最後は使命感が大きく上回った。

 「今までの人生にない、新しい1ページ。リオ五輪が終わった後、東京五輪に向けても力になりたい。経験を伝えていくことも役割だと思う」

 背中を押す存在もあった。6月中旬。自宅の模様替えの際、19年前に亡くなった父・太平さんが1964年東京五輪で聖火走者を務めたときの写真と賞状を偶然見つけた。「ちょっと震えた。父親が生きていたら、『(リオ五輪に)行け!!』って絶対に言っただろうな」。まさに、天命だった。

 日本代表の丸山茂樹ヘッドコーチには「一緒に戦おう」と伝えられ、片山は「大学1年時からの憧れの存在。その方と戦えるのは男として幸せ」と意気に感じ、すべての迷いを捨てた。

 8月5日の開会式にも参加する計画で、片山は「他の競技も見てみたい」と言った。もっとも、五輪に出場する以上、プレーするだけでは十分ではないことも重々、承知。世界のトップ選手に辞退が相次ぐ一方、「出る人にとってはチャンス」と片山。112年ぶりにゴルフが復活した五輪で、堂々と頂点を狙う。 (松岡祐司)

 

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