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【大相撲】

白鵬、故郷の祭典見たくて2.6秒星

2016年7月13日 紙面から

初顔合わせの御嶽海を下し懸賞を手に引き上げる白鵬=愛知県体育館で(石川彰保撮影)

写真

◇名古屋場所<3日目>

(12日・愛知県体育館)

 横綱白鵬(31)=宮城野=は御嶽海を力強く寄り切って3連勝とした。初顔の相手への連勝は昭和以降で玉錦に並んで2位の28。綱とりの大関稀勢の里も宝富士を寄り切り3連勝。他の2横綱は鶴竜が栃煌山に送り倒され、日馬富士は隠岐の海に押し出され土がついた。一日に2横綱の金星配給は、1999年秋場所11日目の武蔵丸と3代目若乃花以来。栃煌山は3個目、隠岐の海は2個目の金星。

 白鵬は右から張って左四つに組み止めると速攻の寄り。幕内の取組で2番目に早い、わずか2秒6で初顔の御嶽海を退けた。省エネ相撲には理由があった。一刻も早く車に戻って、11日から開催されているナーダム(モンゴルの祭典)の相撲中継を見たかったからだ。

 支度部屋に戻ると「早く、早く」と周囲をせかし、着替えが終わると足早に車へ。そんなに見たい? と聞かれると「そうよ!」と横綱。「(義理の)兄が3回戦は勝ったから」と、その続きをどうしても見たかったようだ。

 省エネ相撲を取るために、逆に集中力を高めて臨んだ横綱。「まあ、狙い通り。まあ、(御嶽海は)まだまだという感じの相撲じゃないの」と余裕で振り返った。

 御嶽海には場所前に稽古をつけた。そのとき不運にも左膝裏を肉離れした御嶽海だが、取組後にその御嶽海が「強すぎる…」と言っていたのを聞くと「当たり前だ」と胸を張った。

 これで幕内で初対戦した力士には、2010年春場所の玉鷲戦から負けなしの28連勝。昭和初期に活躍した第32代横綱玉錦と並び、史上2位となった。

 「玉錦…。ああ、あの横綱か。あだ名があったよね。暴れる…」

 そう、負けん気が人一倍強い玉錦は「喧嘩(けんか)玉」とニックネームをつけられていた。

 「新しい顔と張り合って、壁になって、まだまだという気持ちになるんじゃないかな」と場所前に話していたが、その横綱にもまた玉錦のような喧嘩魂が宿っているような気がする。 (岸本隆)

 

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